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「運動場で遊ぶと叱った子も一緒になってチャラになるのがいいんです」と作品を手に笑う松下先生=大阪市北区、豊仁小学校
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「運動場で遊ぶと叱った子も一緒になってチャラになるのがいいんです」と作品を手に笑う松下先生=大阪市北区、豊仁小学校
絵本「せんせいって」から
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絵本「せんせいって」から

 学校の先生はブラック-。いつから、こんなイメージがついたのだろう? 子どものことが大好きで、子どもだって先生が好きなはずなのに。「大変な仕事だけれど、魅力的な職業だ」。現役の小学校教諭が、日ごろの思いをつづった絵本「せんせいって」(みらいパブリッシング)が発刊された。

 作者は大阪市立豊仁小学校で3年生を担任する松下隼司さん(43)。「もっと子どもたちと遊びたい」と思っているけど、休み時間もテストの丸つけ、作文やノートのチェック…と忙しすぎてままならない。年々「子どもも親も先生もしんどいって気分」。けれど、子どもが将来なりたい職業の上位には、必ず先生が入っている。「あこがれの先生になりたかった初心を思い出し、(今の自分への)戒めのつもりで」書いた。

 主人公の先生は、とにかく時間がない。給食も大急ぎで食べ、放課後も会議。そんな先生に生徒たちは「よくかんで食べないとからだにわるいよ」「おかあさんが、せんせいってたくさんやすみがあっていいなーっていってたよ」とたたみかける。もやもやする先生。けれど、先生に似合う服の話題になったとき、子どもたちがみどり! きいろ! あか! と色とりどりの提案をするのを聞き、「先生の仕事はひとつの色じゃない」と気づく…。

 「いや、大変だけど、これだけ笑って、感動して泣いて感情を出す職業ってない。バランスよく本音も入れた。さまざまな業種の人の活力になればうれしい」

 人種も性別も年齢も飛び越えた、カラフルでにぎやかな絵は、神戸市在住のイラストレーター・夏きこさんが担当。「子どもが通う学校の先生にはお世話になっているし、エールを送りたい。見る人の気持ちで楽しめる絵にこだわった」と話す。1540円。(鈴木久仁子)

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