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ロシアのウクライナ侵攻を伝えるサイネージ看板=24日夜、神戸市中央区、JR三ノ宮駅
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ロシアのウクライナ侵攻を伝えるサイネージ看板=24日夜、神戸市中央区、JR三ノ宮駅

 ロシア軍がウクライナに侵攻-。24日、衝撃的なニュースが駆け巡り、兵庫県内に住む40代のウクライナ人男性が家族に電話すると、母親は「市民がロシアのミサイル攻撃の爆発音で起こされている」とむせび泣いた。男性は「お母さんの声を死ぬまで忘れない」と怒りをにじませる。平和的解決を望み続けた県内関係者は東欧の友人を思い、抗議の声を上げた。

 侵攻のニュースが流れた同日正午(現地時間午前5時)ごろ、県内のウクライナ人男性は首都キエフに住む家族に電話をした。情勢が緊迫化し毎日のように連絡を取ってきた。ずっと心配をかけまいと振る舞っていた母親が泣き崩れた。

 男性は「ウクライナにロシアにかなう軍事力はない。より強い経済制裁と、世界各国の迅速で適切な対応を期待するしかない」としつつ、「独裁者の行動のために何の罪もないウクライナ人が何人死ぬことになるのか」と憤る。

 神戸市はIT人材確保に向け、ウクライナとの交流を進めてきた。同市国際課の出口幸治担当課長は「一番良くない方向に向かっている」と声を落とす。ウクライナは「東欧のシリコンバレー」とも呼ばれ、親日国として知られる。昨年12月には大使館も協力し、ウクライナと神戸の企業約60社によるオンラインセミナーを行った。今年3月に職員がキエフなどを訪れる予定だったが、ストップしている。

 職員でウクライナ人のルチュク・レオさん(37)は西部の都市リビウ出身。「ウクライナの潜在力を知ってほしい」と力を注いできたが、「母国のことがとても心配。早く(混乱が)収まってほしい」と振り絞る。同市では、事態が改善し次第、事業を再開できるよう準備は進めるという。

     ◇

 昨夏の東京五輪では、競泳などのウクライナ代表選手団33人が、同県尼崎市の「県立尼崎の森」のプール施設で事前合宿に臨んだ。今里藤勝館長は「今ごろどうしているだろうか」と案じる。今月もウクライナの関係者とメールをやり取りしたが、「昨夏はこんな危機になるとは思ってもいなかった。とにかく見守るしかない」と話した。

 原水爆禁止兵庫県協議会は「ウクライナ問題は国民自身によって平和的に解決されるべき」と訴える抗議文を在日ロシア大使館に送った。(広畑千春、三島大一郎、竹本拓也)

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