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先生って、大変だけど魅力的 小学校教諭の本音、絵本に

2022/02/06 11:37

 学校の先生はブラック-。いつから、こんなイメージがついたのだろう? 子どものことが大好きで、子どもだって先生が好きなはずなのに。「大変な仕事だけれど、魅力的な職業だ」。現役の小学校教諭が、日ごろの思いをつづった絵本「せんせいって」(みらいパブリッシング)が発刊された。

 作者は大阪市立豊仁小学校で3年生を担任する松下隼司さん(43)。「もっと子どもたちと遊びたい」と思っているけど、休み時間もテストの丸つけ、作文やノートのチェック…と忙しすぎてままならない。年々「子どもも親も先生もしんどいって気分」。けれど、子どもが将来なりたい職業の上位には、必ず先生が入っている。「あこがれの先生になりたかった初心を思い出し、(今の自分への)戒めのつもりで」書いた。

 主人公の先生は、とにかく時間がない。給食も大急ぎで食べ、放課後も会議。そんな先生に生徒たちは「よくかんで食べないとからだにわるいよ」「おかあさんが、せんせいってたくさんやすみがあっていいなーっていってたよ」とたたみかける。もやもやする先生。けれど、先生に似合う服の話題になったとき、子どもたちがみどり! きいろ! あか! と色とりどりの提案をするのを聞き、「先生の仕事はひとつの色じゃない」と気づく…。

 「いや、大変だけど、これだけ笑って、感動して泣いて感情を出す職業ってない。バランスよく本音も入れた。さまざまな業種の人の活力になればうれしい」

 人種も性別も年齢も飛び越えた、カラフルでにぎやかな絵は、神戸市在住のイラストレーター・夏きこさんが担当。「子どもが通う学校の先生にはお世話になっているし、エールを送りたい。見る人の気持ちで楽しめる絵にこだわった」と話す。1540円。(鈴木久仁子)

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