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駅前を行き交う人々に事件や裁判の経緯を説明する「名張毒ぶどう酒事件兵庫支援する会」のメンバーら=JR元町駅前
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駅前を行き交う人々に事件や裁判の経緯を説明する「名張毒ぶどう酒事件兵庫支援する会」のメンバーら=JR元町駅前

 「科学的なデータよりも自白とされる内容が優先されるのか」。名張毒ぶどう酒事件の再審開始を名古屋高裁が認めなかったことを受け、兵庫県内の支援団体「名張毒ぶどう酒事件兵庫支援する会」が3日夕、神戸市中央区のJR元町駅前で街頭活動に取り組んだ。同高裁の決定に抗議し、支援を市民に呼び掛けた。

 同事件は1961年、三重県名張市で発生。地区の公民館で催された懇親会で、ぶどう酒を飲んだ女性5人が亡くなり、12人が中毒症状となった。

 奥西勝元死刑囚は津地裁で無罪判決を言い渡されたが、名古屋高裁で死刑判決を受け、最高裁への上告は棄却。2005年に名古屋高裁が再審開始を決定したが、06年、高裁の別の裁判長が取り消した。

 今回の再審請求では、科学鑑定による新証拠や、開示された懇親会参加者の供述調書で自白の矛盾が指摘され、同高裁の判断に期待を寄せる関係者も多かった。同会でもこの日、脇田吉隆会長ら4人が名古屋高裁前に駆け付けたが、再審開始を認めないという結果に終わった。

 街頭活動では「裁判官は無実の新証拠をほとんど無視した」と声を上げ、新証拠の詳細を説明するビラを配布。行き交う市民らに支援を訴えた。同会世話人の近藤正博さん(66)は「61年の歳月はあまりにも長すぎる。最高裁にはしっかり判断してもらいたい」と話した。(篠原拓真)

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