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神戸連続児童殺傷事件で加害男性の審判を担当した井垣康弘氏=2012年5月、大阪府豊中市内
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神戸連続児童殺傷事件で加害男性の審判を担当した井垣康弘氏=2012年5月、大阪府豊中市内

 1997年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件で、当時14歳だった加害男性(39)の少年審判を担当した元神戸家裁判事で弁護士の井垣康弘(いがき・やすひろ)氏が2月26日、急性虚血性心疾患のため死去していたことが8日、分かった。82歳だった。

 井垣氏は大阪市出身で、67年に任官。連続児童殺傷事件の当時、中学3年だった加害男性の審判で、重い精神障害に陥る可能性があるとして医療少年院送致を決定した。処分の決定内容は原則非公開だったが、社会的影響の大きさなどから決定要旨を公表した。その後も少年司法における情報公開の必要性を訴えた。

 また、加害男性が送致された医療少年院に毎年面会に訪れ、遺族の手記などを読むよう勧め、被害者側との信頼関係構築を促した。

 2005年退官。15年4月、加害男性の医療少年院送致を決定した全文が、井垣氏の提供で月刊誌「文芸春秋」に掲載され、同年7月には加害男性の手記出版を受けて井垣氏が同誌に寄稿した。事件の被害者遺族が反発、神戸家裁などが文書で抗議し、大阪弁護士会は業務停止3カ月の懲戒処分とした。

 井垣氏は2月26日、大阪府豊中市の自宅から救急搬送され、大阪市北区の病院で死亡が確認された。葬儀・告別式は近親者で済ませた。喪主は長男憲一郎(けんいちろう)氏。

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