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刊行した「14歳からの自然災害と防災」について語る諏訪清二さん=神戸市中央区東川崎町1(撮影・秋山亮太)
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刊行した「14歳からの自然災害と防災」について語る諏訪清二さん=神戸市中央区東川崎町1(撮影・秋山亮太)
高校生が作った非常用持ち出し袋を紹介。写真を交えて一目で分かりやすく仕上げた
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高校生が作った非常用持ち出し袋を紹介。写真を交えて一目で分かりやすく仕上げた
「14歳からの自然災害と防災」表紙
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「14歳からの自然災害と防災」表紙

 「エレベーターで地震に遭ったら?」「避難の時、何を持って行けばいい?」-。防災について中高生の素朴な疑問に答える書籍「図解でわかる 14歳からの自然災害と防災」(太田出版)が完成した。阪神・淡路大震災をきっかけに、兵庫県立舞子高校(神戸市垂水区)に開設された環境防災科の初代科長、諏訪清二さん(62)が監修し、「防災に唯一の正解はない。本を手に自分で答えを探してほしい」と呼び掛ける。(中島摩子)

 東日本大震災後に発足し、被災地や学校を支援してきた一般社団法人「社会応援ネットワーク」(東京)が企画・執筆した。諏訪さんと協力して舞子高生や神戸市内の中学生らにアンケートし、回答数の多かった32個の疑問に答える形式にした。

 中高生向けとした理由について諏訪さんは、「人を助けたり、ボランティアをしたり、中高生は災害時に支援の主力になれる」と説明する。

 阪神・淡路大震災では、学校の避難所などで中学生ボランティアが活躍した。東日本大震災では、岩手県釜石市の釜石東中学校の生徒が、小学生らの手を引いて背後に迫る津波から逃げ、「釜石の出来事」と語り継がれる。

 さらに、現在の中高生の世代は「南海トラフ巨大地震など次の災害が起きたとき、社会の中心を担っているはず」と諏訪さん。

 本では「マグニチュードと震度ってどう違うの?」という疑問をもとに災害の仕組みを解説する。「自宅避難中に断水。トイレはどうすればいい?」との問いには、避難生活への備えを紹介している。

 イラストや写真を多用し、一つの疑問ごとに回答を見開きで完結させるなど、分かりやすさにこだわった。

 小学5年で東日本大震災を経験して語り部として活動する男性や、阪神・淡路で父親を亡くした女性も体験、思いを伝える。

 防災教育学会の会長も務める諏訪さんは「学校の授業で活用したり、リビングに置いて家族で話し合ったりしてほしい。災害が起きたとき、被害を軽減し、誰かを助けることにつながる」と話している。

 B5判、96ページ。1650円。太田出版TEL03・3359・6262

東日本大震災神戸
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