東京・有楽町で兵庫の特産品を販売してきたアンテナショップ「兵庫わくわく館」が、21日を最後に営業を終える。兵庫県の行財政運営方針見直しの一環で補助金が打ち切られることになったのが理由だが、驚きを隠せない顧客も多い。閉店を惜しむ人に話を聞くと、同館が「愛された理由」が浮かび上がってくる。
■ほかで買えない
春の陽気となった週末の12日。東京都世田谷区の男性会社員(54)が手に取ったのは、あられ菓子「鶯ボール」と、ノリつくだ煮「アラ!」。かつて和歌山や大阪で暮らしたという男性は「どれも子どもの頃から親しんだ味」と目を細める。
両商品とも東京で販売する店が少なく、わくわく館に通うファンが多かった代表格。鶯ボールのメーカー植垣米菓(神戸市長田区)と、「アラ!」のブンセン(たつの市)の広報担当者はいずれも「関東のお客さまから問い合わせがある度に『わくわく館』をご案内していたのですが」と口をそろえて閉店を惜しむ。
■食文化の違い
男性がもう一つ買ったのが新物が入っていたイカナゴのくぎ煮だ。「以前は姫路の親戚が送ってくれていた。懐かしいですね」。
イカナゴに限らず、季節の兵庫の味を楽しみに同館を訪れる客も多い。背景には、関東と関西の食文化の違いもある。関西でひなあられといえば塩味のおかきだが、関東では甘いポン菓子が主流。桜餅は、粒あんをもち米で包む「関西風」に対し、「関東風」はピンクの薄皮でこしあんを包む。古里の味を毎年買い求め「来年からはどうしよう」と話す客もいるという。
■懐かしい味
台東区の女性(74)は、そうめん「揖保乃糸」と「鶯ボール」を買い、「きょうは懐かしい味が食べられる」と顔をほころばせた。大阪出身だが、父が兵庫県たつの市出身といい「父も母も播州に眠っているんです」。
「西宮に住んだ時に、兵庫のおいしいものを知った」と話すのは、千葉県松戸市の女性(61)。この日は有馬温泉の炭酸せんべいと「アラ!」を購入したが、閉店を知って炭酸せんべいを買い足した。
■ネットだと送料が
東京都新宿区の司会業の女性(37)は、神戸のスイーツを目当てに、同館をたびたび訪れた。この日は既に売り切れの商品も多く、残念そう。「出張で神戸を訪れた時にファンになった。ネットで買うと送料がかかるし、これからは現地に行った時しか買えなくなりますね」と嘆く。
■土産の調達
兵庫土産の調達に訪れる人の姿も。世田谷区の主婦(69)は「宝塚にいる息子や孫に会いに行ってきたんですけど、お土産を見る時間がなくて」と、神戸ワインやチョコレートを購入した。「閉店はすごく残念。これからは神戸で買ってこないと」と肩を落とした。
■種をまく場所
同館の山下幸恵店長は、芦屋市出身。「インターネット販売で兵庫のものも買える時代だけど、ネットに果たせない役割を果たしてきた自負がある」と力を込める。店頭で旅行の相談に乗ったり、自由研究で特産品を調べる小学生に助言したり。「古里の言葉を久しぶりに聞きたい」と話をしにくるお年寄りもいた。
県は今後は拠点をつくらずに兵庫の逸品をPRすると説明するが、山下店長は「アンテナショップはものを売るだけじゃなく、『兵庫に行ってみたい』『見てみたい』の種をまく場所。それをなくしてしまっていいんでしょうか」と疑問を投げ掛ける。(永見将人)
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