濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」がまたも国際舞台で快挙を成し遂げた。昨年のカンヌ国際映画祭脚本賞に続き、第94回米アカデミー賞で国際長編映画賞を受けた。派手な娯楽作への注目が集まりやすい米映画界が、アジアの中の日本の作家性に目を向けた異例の高評価。世界の「ハマグチ」として、その名を世界に知らしめた。
「ドライブ-」は村上春樹さんの短編集「女のいない男たち」に収められた同名小説が原作。妻が秘密を抱えたまま突然、亡くなり、心に穴があいた舞台演出家が主人公。愛車の専属運転手を雇い、その出会いをきっかけに妻の死、そして現実と向き合う。
なにげない会話を重ねて物語を紡ぎ、この世界の誰もが抱えている喪失と、そこからの再生を描くのが村上作品。国や文化の違いを超えたテーマの普遍性を、濱口監督は厳選した言葉によるせりふ回しと丁寧な心情描写で描いて見せた。
コロナ禍に見舞われている今の時間とシンクロさせているところも見事。主人公の喪失感、孤独感と、最後に差し込む一筋の光が、突然、大切な人を失う経験をした米国の人々に共感を得たのだろう。
また劇中劇「ワーニャ伯父さん」では、芝居に出演する俳優は韓国、中国など多国籍で、中には耳の不自由な女優が手話でせりふを伝える場面もある。現代社会の多様性を端的に見せながら、コミュニケーションの質に及ぼす影響まで感じ取れる仕掛け。米国社会、またアカデミーの組織が多様性重視に変化しようとしている点とも重なった。約3時間と長尺だが、この長さだからこそ紡げた物語という説得力があった。
濱口監督は出世作「ハッピーアワー」を神戸に3年間滞在して撮影するなど、神戸との縁が深い。今回は原作が神戸・阪神間にゆかりの深い村上さんということもあり、神戸での経験がきっと作品全体を包む空気感を醸しだしたはず。
神戸で培われた感性が、受賞の一翼を担ったとしたら、これほど喜ばしいことはない。(片岡達美)
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