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 JR西日本が29日に発表した運賃値上げは、阪急、阪神など私鉄との激しい競争により、旧国鉄時代から割安を維持してきた区間が対象となった。しかし、新型コロナウイルス禍に伴う乗客減で、同社の経営環境は大きく悪化。1987年の民営化以降、消費税増税以外では初となる利用者への負担増に踏み切った。

 「私鉄より高くはしない」。値上げを発表した同社の真鍋登志郎・営業本部副本部長は強調。普通運賃は私鉄と同程度に引き上げる一方、通勤定期は値上げ後も安さを維持する。

 値上げする計99区間のうち、兵庫県内で発着するのは神戸線、宝塚線、東西線の45区間に上る。このうち、普通運賃と通勤定期の両方を値上げするのは「神戸-大阪」「神戸-尼崎」など8区間。6カ月通勤定期のみを見直す区間は「三ノ宮-大阪」「宝塚-大阪」など37を数えた。

 県内で普通運賃が上がるのは神戸駅を利用したときのみ。同駅から乗り、大阪、塚本、尼崎、北新地、新福島、海老江、御幣島、加島の各駅で降りた場合で、間にある駅で乗り降りしても現行のまま変わらない。三ノ宮-大阪も対象となっていない。

 並行する私鉄と比べると、神戸-大阪では、阪急、阪神とも高速神戸-大阪梅田の運賃は450円。JRの値上げ後の普通運賃は同額だが、定期は値上げをしてもまだJRの方が安い。

 新型コロナ禍に伴う乗客減の影響は、JR西を含む鉄道各社に及ぶ。一方、相次ぐ災害や列車内の事件に備えた安全対策には投資が迫られる。このため、国土交通省は今年2月、運賃・料金制度の見直しを検討する小委員会を設置、議論を進めており、値上げを含めた運賃・料金改定は今後、各社で広がる可能性もある。(西井由比子)

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