かつて、子どもたちの憧れの的だった「肥後守」や小刀。時代は移り、令和の子どもにとって鉛筆を削ることはもちろん、刃物を使うのは「特別な体験」だ。学校の授業が初めてという場合も多く、神戸市内では彫刻刀を使っていた児童が相次いでけがをする事故も起きた。生活の中での「刃物離れ」「刃物レス」が進む中、どう扱い方を教えるのか。悩む現場を取材した。(広畑千春)
神戸市須磨区の椿谷公園で月1回開かれている「椿谷プレーパーク」。手作りの遊具とともに、公園内の一角にナイフやのこぎりなど十数種類の刃物が並べられ、木材の端材や公園に落ちている木の枝などを使って自由に工作ができる。
小学3年の男児(8)は「ナイフで木を削るのはめっちゃ楽しい」と慣れた手つきで竹の板を削る。教え続ける山本辰也さん(76)=神戸市須磨区=は「昔は父親やおじいさんから小刀の使い方を教わり、けがもしながらうまくなった。今は思わぬ持ち方をする子もいて、最初は特に目が離せない」と苦笑する。
普段の生活で刃物を使う機会は激減している。国立青少年教育振興機構の2018年度の調査では「包丁やナイフで果物の皮をむいたり、野菜を切ったりしたことが何度もある」と回答した小学4~6年生は42・5%。小刀に至っては、教師を目指す学生でも使用経験があるのは3割に満たないという調査もある。
神戸市では昨年、図工の授業中に彫刻刀でろうを削っていた小学5年生10人が、誤って指を切る事故が発生。うち1人は親指の腱にまで達する重傷だった。
学習指導要領では小学3~4年生の図工で小刀の使用が盛り込まれているが、実際の内容は現場に任されており、この学年は別の活動をしていた。同市教育委員会は「小刀を扱った経験に差があり、ろうの大きさなど教材設定が子どもの実態に合っていなかった」と分析。「学校で初めて刃物を使ったという子どもが増えている」とし、経験の有無を丁寧に聞き取るとともに、安全な使い方を繰り返し教えるよう通達した。
ただ、変化の兆しもある。全国で唯一「肥後守」の商標を守り続ける「永尾かね駒製作所」(兵庫県三木市)は2年前、アウトドアメーカーのロゴス(大阪市)とのコラボ商品を発売した。販売の7割を欧米向けが占めるが、コロナ禍のキャンプブームを背景に、国内販売数もやや上向きという。男の子たちが皆、肥後守を筆箱にしのばせていた時代には遠く及ばないが、「『安くてお手軽』だけではない肥後守の魅力が再発見され、工作を楽しむ子どもが増えてくれたら」。
刃物の研磨を通じ、学生への教育に取り組む福井大教育学部の坂本太郎准教授は「刃物を使わずに済むのは時代の流れとしては順当だが、それでも刃物は人間の生活にとってなくてはならないもの。けがは避けたいが、けがの怖さを知らなければ正しく使うこともできない」と指摘。「刃物に触れ、研ぐなどの身体経験の機会を増やすことで、危険を知り、使いこなす能力と、ものを創り出す喜びも感じられる」とし、「教員でなくても、母親でも、近所のおばあちゃんでもいい。キャンプもいい機会になる。まずは上手に誘導できる大人が増えることが何より大切だ」としている。
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