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兵庫県内10大学の入学式で学長が読んだ式辞を「テキストマイニング」で集約し、視覚的に図示したもの。「皆さん」などの呼び掛けや大学名など一部の言葉を省いて解析した
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兵庫県内10大学の入学式で学長が読んだ式辞を「テキストマイニング」で集約し、視覚的に図示したもの。「皆さん」などの呼び掛けや大学名など一部の言葉を省いて解析した
神戸大学の入学式で、話を聞く新入生たち=5日午前、神戸市中央区
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神戸大学の入学式で、話を聞く新入生たち=5日午前、神戸市中央区

 新型コロナウイルスの感染拡大から3回目の春が訪れ、今年も多くの若者が大学の門をくぐった。感染の収束は見通せず、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻など世界情勢も揺れ動いている。厳しい環境下で新たな一歩を踏み出す新入生に、大学側が求めるものは-。兵庫県内で開催された入学式の学長式辞を、人工知能(AI)技術を用いて解析してみた。(小川 晶)

 式辞を解析したのは、神戸、兵庫県立、甲南、神戸学院、関西学院、武庫川女子、甲南女子、大手前、姫路独協、関西国際の10大学。兵庫県内に本部を置き、文部科学省が公表する「規模別大学一覧」(2021年5月現在)でA、B区分(5学部以上)の大学を対象とした。

 大学のウェブサイトに公表されていたり、提供を受けたりした式辞の文書データを基礎資料とし、10大学の全文を集約。AI技術によって言葉の使用頻度や傾向、特徴などの有用な情報を取り出す「テキストマイニング」を活用した。

 結果を表した図を見ると、特に目立つのが「コロナ」で、ほぼ全ての学長が言及した。甲南は「感染症に罹患(りかん)しない、そして大切な人にうつさない行動を心掛けて」と備えの大切さを改めて強調。関西国際は「格差がコロナ禍によってさらに拡大し、表面化した」と指摘し、関西学院は「ポストコロナ社会では、変革を起こすコンピテンシー(能力、資質)が求められる」と学生らに訴えた。

 AI解析では「考える」「学ぶ」という言葉も強調された。コロナ禍やデジタル化など、時代の変化に対応するために広い視野を求める「社会」「世界」「国際」「海外」などのキーワードと併せ、主体的に考える姿勢を、多くの大学が学生に求めていると分かる。

 武庫川女子は「個性輝く自立した女性は、まず自ら考え、積極的に課題に取り組む」と指摘。神戸は「焦ってパニックになるような場面でも、どうするべきかをじっくり考えて判断し、行動することができる精神力を鍛えて」と求めた。

 ウクライナ情勢については、4大学の学長が触れた。姫路独協は「世界はますます先行きの読めない変動期に入ってきている」。3月に抗議声明を出した兵庫県立は「SDGs(持続可能な開発目標)と真逆なことが起こっている」とし、「今のロシアの政治状況を反面教師としてしっかり学んで」と呼び掛けた。

 大学ごとの特色もあり、甲南女子は「自律」をキーワードに説き、大手前は、生涯にわたる「学び」の重要性を強調した。神戸学院は、在学する女子フィギュア坂本花織選手の活躍に触れつつ、出会いなどの「偶然」を大切にするよう訴えた。

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