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兵庫県立淡路医療センターにおける公文書偽造問題を巡り、職員が組織ぐるみで行った隠蔽工作について陳謝する八木聰・県病院事業副管理者(左)ら=15日午後、兵庫県庁
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兵庫県立淡路医療センターにおける公文書偽造問題を巡り、職員が組織ぐるみで行った隠蔽工作について陳謝する八木聰・県病院事業副管理者(左)ら=15日午後、兵庫県庁

 兵庫県洲本市の県立淡路医療センターが、契約事務のミスを隠すために公文書を偽造した問題で、県は15日、緊急調査の結果を公表した。事務方トップの管理局長をはじめ、当時の経理課長らが組織ぐるみで隠蔽工作に及んだと断定。不正に関わった4人を停職3カ月などの懲戒処分とした。

 調査によると2020年末、同センターは業務で使うノートパソコン(PC)30台の購入を決定。約250万円相当で、県の規定では入札を実施する必要があったが、経理課の担当職員が誤って地元業者に随意契約で発注した。

 納品書が届いてミスが明らかになり、同課は正規の手順で購入したように見せかけるため、21年1月、他の業者を巻き込み、指名競争入札の結果、地元業者が落札したように工作した。

 さらに今年1月、この問題に関する情報公開請求がネットメディアからあった。しかしセンター側はPC入札の契約書類を作成しておらず、問題の発覚を恐れ、随意契約の決裁文書を偽造し、公開したという。

 発表では元経理課長(50代)が入札の偽装を決め、元経理課員(20代)に指示。前管理局長(60代)と前総務部長(50代)は、経緯を把握しながら偽の決裁文書にサインし、現管理局長(50代)が文書公開を決定した、とされた。

 県は、元経理課長が不正を主導し、前総務部長も偽の決裁文書作成を助言したとして、2人を停職3カ月とした。現管理局長は停職1カ月、元経理課員は減給10分の1(1カ月)とした。前管理局長は昨年3月に退職済みだが、減給10分の1(3カ月)の金額の自主返納を申し出ているという。

 元経理課長は県の調査に「内部監査で見つからないように入札を偽装した」などと説明したという。一連の行為は虚偽公文書作成や公文書偽造などの罪に該当する可能性があるが、県は社会的制裁を受けたことなどを踏まえ、刑事告発を見送る。(金 旻革)

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