総合 総合 sougou

  • 印刷
「黒くなってるところもあるなあ」。炭素を含んだ積み木を観察する子どもら=西宮市、高木北小学校
拡大
「黒くなってるところもあるなあ」。炭素を含んだ積み木を観察する子どもら=西宮市、高木北小学校
校舎に設置された太陽光パネルの発電量を示すモニター=神戸市灘区摩耶海岸通2、灘の浜小学校(撮影・坂井萌香)
拡大
校舎に設置された太陽光パネルの発電量を示すモニター=神戸市灘区摩耶海岸通2、灘の浜小学校(撮影・坂井萌香)

 地球温暖化による気候変動の危機を避けるため、世界が脱炭素社会を目指す中、学校での環境学習の位置付けも変わりつつある。脱炭素が社会や経済の現実的課題となった今、教育関係者は「未来の社会を生きる上で不可欠な知識になる」として、伝え方の工夫を重ねている。(小谷千穂)

■大量の積み木

 3月末、高木北小学校(兵庫県西宮市)で、児童約10人の前に大量の積み木が置かれた。なでたり、においをかいだり、積み重ねて遊んだりする子どもたちに、指導員が話す。「この木材の中には、炭素がたくさん蓄えられています」

 放課後に学校を開放する「放課後キッズルーム」での環境学習だ。指導員が「炭素は燃やすと空気中に出て、二酸化炭素つまりCO2が発生しちゃうね。二酸化炭素が増えると?」と尋ねると、児童らは次々に「地球温暖化になる」「暑くなる」と答えた。

 監修したのは、NPO法人「人と自然とまちづくりと」の中岡禎雄理事長(57)=西宮市。長年、技術教諭として同県尼崎市立中学校に勤務しながら、「命の循環」をテーマに環境教育を実践してきた。現在は阪神間の小中学校で講演したり、課外学習やクラブ活動に関わったりしている。

 積み木を使った講座では、CO2を吸収する木の役割や森の大切さを伝える。積み木は、植林から50年以上がたってCO2を吸う量が減った木の端材で作られ、伐採の跡には若い木が植えられているという。指導員は「使わせてもらった木をリサイクルするのも大事」と伝えた。

 最後に登場した中岡理事長は「地球にある炭素の量はずっと変わらず、46億年間循環していた。なのに、人間がエネルギーに変えたことで空気中に余分な二酸化炭素がいっぱい出てきた」と訴え、「この流れを止めるのが脱炭素の取り組みなんや」と締めた。

 中岡理事長は「『自然を守ろう』という学習だけでは足りず、環境が全ての基礎にあり、『環境を維持しないと社会や経済が成り立たない』という教え方に変わってきた」と指摘する。「自然を守る自分たちの活動が、社会を守る活動につながると気付かせることが大事」と訴えた。

■全国で2位

 校内の太陽光発電装置を学習に取り入れる学校もある。昨年度に開校した灘の浜小学校(神戸市灘区)では、屋上に設置した太陽光パネルの発電量や1週間の推移が、正面玄関のモニターに示される。児童らは毎日、登下校時に目にする。

 同小6年の男児(12)は「晴れの日が続くと発電量が増えたと分かる」。同じ6年の男児(11)は「火力発電で地球温暖化が進む中、自分の学校が太陽光発電をやっているのは素晴らしい」と誇らしげだった。

 太陽光パネルは環境学習の教材活用も兼ね、地球温暖化対策や非常用電源確保の目的で、新設や改修をする学校で導入が進んでいる。兵庫県内では学校や幼稚園など629校園で太陽光発電装置(小型を除く)が設置され、文部科学省の調査では全国で2番目に多い(2021年5月時点)。

 灘の浜小では昨年度、6年理科の授業で自校の太陽光パネルを例に、化石燃料の代替エネルギーに触れたという。青木謙教頭(50)は「教室の照明に使えたり災害で役立ったりする一方、曇りならあまり使えないデメリットなども幅広く伝えていきたい」と話した。

未来を変える神戸阪神教育
総合の最新
もっと見る
 

天気(7月5日)

  • 29℃
  • ---℃
  • 70%

  • 32℃
  • ---℃
  • 50%

  • 29℃
  • ---℃
  • 70%

  • 30℃
  • ---℃
  • 70%

お知らせ