兵庫県三木市出身の作家・玉岡かおるさん=同県加古川市=が初めて能の原作・台本を手掛けた新作「媽祖(まそ)」が完成し、お披露目された。海の女神をテーマにし、片山九郎右衛門、野村萬斎といった日本を代表する能楽師と狂言師らが神々の役などで出演。コロナ禍と重ね、疫病が流行していた天平(てんぴょう)時代に舞台を設定した。
4月2日、京都市の京都観世会館。初演を前に玉岡さんは原作依頼について、「最初はむちゃなこと言わはるなあ、と思った」と笑わせながら、「(九郎右衛門)先生の情熱に動かされ、作らねばならない気持ちに変化した」と振り返った。
媽祖は東アジアで信仰されている道教の神で、航海の安全を見守る。九郎右衛門がコロナ禍で過去を見詰め直した際、台湾の友人から20年以上前、媽祖をテーマにした作品を提案されたことを思い出し、友人の玉岡さんに原作を依頼。制作費はクラウドファンディングで集めた。プロモーションビデオ作りには通販大手「フェリシモ」(神戸市中央区)の矢崎和彦社長が支援した。
玉岡さんが着想に生かしたのは、自著「天平の女帝 孝謙称徳」で描いた時代。国家が遣唐使を送り、海を渡った時期の物語だ。
新作能では、称徳帝は菩薩(ぼさつ)の心を広めるため、諸国にお経を入れた「百万塔」を納めたいと、大伴家持(おおとものやかもち)(宝生欣哉(ほうしょうきんや))を筑紫へ派遣する。難波津に近い住吉神社で、家持は海難を予知できる巫女(みこ)「黙娘(もくじょう)」(九郎右衛門)と出会い、船に同乗させる。
途中嵐に遭うが、黙娘が身を犠牲にし、一行は無事に筑紫へ。黙娘は「媽祖」(同)に生まれ変わり、住吉明神(萬斎)も登場し、家持らに外国へも菩薩の慈悲を広めるよう鼓舞する。
「現代人にも分かりやすく美しく、みんなが知っている言葉をちりばめた」と玉岡さん。桜満開の難波津からの船旅では、武庫や淡路、明石、家島など兵庫ゆかりの地名が登場する。舞台上で実際に帆を張り、想像力をかき立てる。
「嵐に遭遇後、黙娘が媽祖になるまでの展開は、予想以上にドラマチックに演じてもらい、自分でも息をのんだ」と玉岡さん。「争いは絶えないが、自分を犠牲にして他人を救った黙娘を通して、人間に残る希望を表現したかった」という。
また「見た目にも、媽祖と住吉明神が舞う後半の場面では、能らしい美しさや優雅さを堪能してほしい」と期待する。11月に加古川市内で能の一部を紹介予定。
(金井恒幸)

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