障害のある子とない子が入り交じり、のびのびと創作活動に励む。神戸市垂水区の絵画教室「あとりえ・クルレ」は35年間、みんなが一緒に学ぶ「インクルーシブ教育」(包容する教育)のはしりとも言える取り組みを続けてきた。主宰の赤堀富子さん(70)は「子どもが過ごす場所は、いろいろ選択肢があっていい」と語り、同様な考えの塾や習い事教室とネットワークを作りたいと呼び掛ける。(鈴木久仁子)
「目は1個? よく見てごらん。口と目は顔に乗ってるやん。ほら、ね」
取材に訪れた日、教室では皆が一緒に和紙を使って干支(えと)のトラを描いていた。お手本はふすま絵。向かいに座る小学生が描くのをじっと見ていた知的障害の高校生が、大胆な筆遣いで輪郭を描き出した。「彼女は形よりも本質をつかむのにたけている。ゆっくりでもそれぞれに成長します」と赤堀さんは目を細める。
教室を開設したのは1987年。程なくして肢体不自由児が訪れた。障害児教育の経験はなかったが、クレヨンの代わりに小筆なら持てると分かり、教室で指導し始めた。
以来、知的障害、自閉症、発達障害などさまざまな障害がある子を受け入れてきた。「断る理由がないですから」と赤堀さん。その傍ら、神戸学院大大学院で臨床心理学を学び、公認心理士や認定描画療法士の資格を取得。生徒の表現力を伸ばす方策を探ってきた。
「最初は大声を出したり暴れたり、座るだけで大変な子もいる。でもそれぞれに理由がある。気づくと、1時間、集中して創作できるようになっている」
今では教室に通う40人以上のうち、8割に障害がある。保護者にとっても、子育ての相談ができる大切な場所だ。「地域で学び、レクリエーションを楽しむのは、障害の有無に関係なく自然なこと」と笑う。
国は障害児の通所支援策として、2012年に「放課後等デイサービス」制度を導入した。障害のある児童生徒を放課後や休日に預かり、生活能力の向上に必要な訓練や、社会との交流促進などのサービスを提供する。
一定の所得がある保護者は費用の1割、多くは全額公費の補助が出る。昨年7月時点で全国約27万9千人、兵庫県内でも1万3554人が利用する。
ただ、放課後デイでは「地域の子どもと一緒に過ごす時間がほとんどない」と赤堀さんは指摘する。一方でクルレは公費補助の対象になっていない。生徒の特性を理解し指導できるスタッフの人件費などを、月謝だけで賄い続けるのは難しく、苦心の経営が続いている。
障害のある子どもが地域で過ごせるように「経済的な仕組み作りが急務」と話す赤堀さん。同じような悩みを抱える塾、習い事の主宰者とつながり、議論を深めたいと考えている。
あとりえ・クルレTEL078・782・7937
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