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神戸発電所3、4号機=2022年1月、神戸市灘区灘浜東町2
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 神戸製鋼所の石炭火力発電所(神戸市灘区)増設を巡り、環境影響評価(環境アセスメント)を認めた経済産業相の確定通知は違法として、周辺住民らが通知を取り消すよう求めた行政訴訟の控訴審判決が26日、大阪高裁である。住民側は地球温暖化につながる二酸化炭素(CO2)の長期にわたる大量排出は「人権侵害」と主張。裁判所が周辺住民に対し、通知の取り消しを求める資格を認めるかどうかが大きな焦点となる。(堀内達成、石沢菜々子)

 弁護団によると、アセスを追及する訴訟は全国初。発電所は住宅地に近く、増設の3、4号機(総出力130万キロワット)が出すCO2は年間692万トンで、一般家庭150万世帯分に相当する。3号機は2月に営業運転が始まり、4号機は2022年度中の稼働を予定する。

 一審では、大気汚染物質による健康被害について、原告らが訴えを起こす資格「原告適格」を認める一方、CO2に関しては「温暖化による健康被害は周辺住民に限られるわけではない」などと適格を認めなかった。その上で、アセスについて「経済産業大臣の判断が裁量権の範囲を逸脱したものとは言えない」とした。

 原告側弁護団は「温暖化被害は個人の権利、利益の侵害。憲法で保障された裁判を受ける権利も侵害している」と主張する。

 海外では19年12月、オランダの最高裁が気候変動による被害は「人権侵害にあたる」などとして、国の温室効果ガス削減目標の強化を義務付ける判決を下した。ドイツ連邦憲法裁判所も立法府に対策強化を促す決定を出しており、日本の司法判断が注目される。

 原告らは、アセス段階で微小粒子状物質「PM2・5」の環境影響を評価しなかった点や、発電の燃料として石炭以外を検討しなかった点の違法性なども訴えている。

 地域住民らは神鋼の石炭火力発電所稼働差し止めなどを求める民事訴訟も神戸地裁に起こしている。

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