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旧優生保護法を巡る思いを手話で伝える小林宝二さん=明石市貴崎1
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旧優生保護法を巡る思いを手話で伝える小林宝二さん=明石市貴崎1

 旧優生保護法を巡る訴訟は今年に入り、大阪高裁と東京高裁で違憲性を認めて国に賠償を命じる判決が下ったが、国は最高裁に上告し、最終的な結論は先延ばしされる形となった。同様の訴訟で大阪高裁での控訴審を控える小林宝二(たかじ)さん(90)=兵庫県明石市=が取材に応じ、責任を明確に認めない国への憤りや長引く問題解決への思いを訴えた。

 ともに聴覚障害がある小林さんと妻喜美子さん(89)は1960年に結婚。間もなく妊娠が分かり、2人は「男の子かな。女の子かな。どっちでもいいな」と喜び合ったという。しかし翌日、喜美子さんは病院に連れて行かれ、目覚めるとおなかの赤ちゃんはいなくなっていた。2人への説明や了承はなく、中絶と不妊手術が行われた。

 「『耳が聞こえなくても子どもを育てている人はいる』と話しても、私の母は許さなかった」と振り返る小林さん。「母は耳が聞こえない僕を差別していた。亡くなった今も、手を合わせて静かに眠ってほしいと祈る気持ちにはなれない」と手話で打ち明けた。

 大阪、東京の両高裁が国の賠償責任を認めた判断を国は不服とした。小林さんは「いつまでこの悔しい気持ちを抱えて暮らさないといけないのか」と憤り、「私たちの話を聞いて理解してもらえるはずだと思うが、国の判断にはつながっていない。頑張っても伝わらないことが歯がゆい」と、もどかしさを隠せない。

 年齢を重ね、今年90歳を迎えた。「いつ倒れてもおかしくない」とし、「このまま死ぬと私の人生は何だったのか。諦めずに良い結論を出し、最後は穏やかに人生を全うしたい」と願った。(篠原拓真)

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