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請求棄却を受け、気候変動による人権侵害を認めなかった高裁判断を知らせる弁護士ら=大阪市北区西天満2、大阪高裁
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請求棄却を受け、気候変動による人権侵害を認めなかった高裁判断を知らせる弁護士ら=大阪市北区西天満2、大阪高裁

 神戸製鋼所の石炭火力発電所(神戸市灘区)増設を巡り、環境影響評価(環境アセスメント)を認めた経済産業相の確定通知は違法として、周辺住民らが通知を取り消すよう求めた行政訴訟の控訴審判決が26日、大阪高裁であった。住民らは地球温暖化につながる二酸化炭素(CO2)の大量排出を「人権侵害」と主張したが、水野有子裁判長は一審に続き、訴えを起こす資格「原告適格」を認めなかった。

 住民はCO2による気候変動の被害を受けない権利を主張したが、判決は「個人の利益とまでは言えず、現時点で国際的、国内的に議論が成熟しているとも言えない」と適格を認めなかった。一方、「この判断は今後、社会情勢の変化によって個人的利益と承認される可能性を否定するものではない」と含みを持たせた。

 原告側の弁護団は「CO2排出という人権侵害を行政訴訟では争えないというこの判決は、裁判を受ける権利も侵害している」とし、上告する方針を示した。

 水野裁判長は大気汚染物質による健康被害については、一審を支持して原告適格を認めたが、アセスの違法性は認めず、原告らの訴えをいずれも退けた。

 弁護団によると、アセスを追及する訴訟は全国で初めて。発電所は住宅地に近く、増設の3、4号機(総出力130万キロワット)が出すCO2は年間692万トンで、一般家庭約150万世帯分に相当する。3号機は2月に営業運転が始まり、4号機は2022年度中の稼働を予定する。(堀内達成)

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