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古代遺跡のような橋脚が連なる町並み=姫路市久保町
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古代遺跡のような橋脚が連なる町並み=姫路市久保町
山陽電鉄の線路をまたいで走る開通間もない姫路市営モノレール(姫路市提供)=姫路市久保町
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山陽電鉄の線路をまたいで走る開通間もない姫路市営モノレール(姫路市提供)=姫路市久保町
橋脚を囲う室内の壁にある窓=姫路市久保町
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橋脚を囲う室内の壁にある窓=姫路市久保町
簡易型ユニットバスの背後にもコンクリートがむき出しになっている=姫路市久保町
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簡易型ユニットバスの背後にもコンクリートがむき出しになっている=姫路市久保町
モノレールの橋脚を生かした地域の将来像として受講生のグループが描いたイメージ図(姫路市提供)
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モノレールの橋脚を生かした地域の将来像として受講生のグループが描いたイメージ図(姫路市提供)

 山陽電鉄姫路駅の西側、兵庫県姫路市久保町には、高架の線路を挟んで、古いコンクリートの柱が何本も空へと延びている。旧姫路市営モノレールを支えた橋脚で、かつての姫路-大将軍駅間にあたる場所だ。レール部分はなく、2階建ての長屋の屋上から突き出た橋脚が整然と連なる。運休から半世紀あまり。風雨にさらされたコンクリートは、まるで古代遺跡のよう。昭和の町並みが残る駅西地区にあっても、ひときわ異彩を放つ長屋内部はどうなっているのか。特別に見せてもらった。(記事・段 貴則、写真・山本 晃)

 同町には橋脚が残る長屋3棟が東西に並ぶ。美容室や飲食店など、長屋内の各区画で営業を続けている店舗や事務所もある。土地を所有する同市によると、いずれも昭和40年代初めに建設された鉄筋コンクリート造りの2階建て。モノレールの開通後、橋脚を抱き込むようにして建てられたという。

 その一つ、コメの巨大な自動販売機が目を引くコメ販売店、白浜米穀(姫路市)の区画を取材した。長屋の中で、この区画の屋上部分に橋脚が突き出ている。長年、内部は使用していないそうだが、かつては近隣の喫茶店経営者が仮住居として借りていたこともあったそうだ。

 1階には階段と2部屋がある。階段下の部屋は木目調の板壁でいたってシンプルだが、窓に違和感を抱いた。外壁ではなく、室内の壁に切られている。窓を開けると、すぐ目の前に真っ平らなコンクリートがあった。窓枠よりもはるかに大きく、全体が見えない。「これが橋脚?」。確かに、屋上に突き出た橋脚の真下部分にあたる場所だった。

 階段は、橋脚を側壁に利用した構造のようで、コンクリートがむき出しになっている。2階に上がると家具など生活の跡が残り、浴室を見た同僚記者が突然、興奮気味に声を上げた。高度成長期に生産され、「風呂付きの家」の夢をかなえた後置き式ユニットバス「ほくさんバスオール」が置かれていたからだ。室内は橋脚とともに、時の流れが昭和で止まったままだ。

 白浜米穀社長の井上義一さん(66)は「レールは撤去されたけど、今も残る橋脚は姫路大博覧会など、姫路に勢いがあった当時を象徴する存在」と懐かしんだ。

■子どもの遊び場、アスレチック… まちづくりへ活用模索

 旧姫路市営モノレールの橋脚を生かしたまちづくりを模索する動きもある。

 橋脚が残る駅西地区の活性化策を考える「リノベーションスクール@姫路」(姫路市主催)が今年1月、同市久保町などを舞台に開かれた。受講生のうち、地元企業の会社員らでつくる班は「ニョキニョキ延びた橋脚がかわいい。子どもと一緒に楽しめる場所にしたい」と、橋脚下にある空きテナントについて活用法を検討した。

 発表会では、テナント前の道路も含め、子どもの遊び場とし、大人も音楽演奏やDIY教室などに集えるようにする案を披露。橋脚の間に綱を張り、屋上をアスレチック施設とするなど、アイデアを膨らませた。

 同班のメンバーたちは「昭和の遺構である橋脚をシンボルとし、橋脚下で子どもたちと『何かを作る』という楽しさを通じて、地域のファンを増やしていきたい」としている。

【旧姫路市営モノレール】1966(昭和41)年開催の姫路大博覧会に合わせて開業。姫路-手柄山駅間(約1.6キロ)を約5分で結び、唯一の中間駅・大将軍駅は10階建てビルの3、4階部分にあった。市街地の交通渋滞を解消する役割が期待されたが、74年に運休、79年に廃止された。車両や駅舎は、土木学会の「選奨土木遺産」に選ばれている。

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