阪神・淡路大震災の教訓を伝える「人と防災未来センター」(神戸市中央区)で、2002年4月の開設時から20年間、語り部ボランティアを続ける人がいる。兵庫県芦屋市建設部長として、救助や遺体搬送、避難所運営などに力を尽くした谷川三郎さん(85)=神戸市北区=もその一人。「コロナ禍で話す機会が減り寂しいが、体験していない世代に伝えていかなければ」と気を引き締める。
1995年1月17日の早朝、神戸市北区の自宅2階で激震に襲われた。「十数秒の揺れを1分に感じた。何が何だか分からず、タンスにしがみついた」。妻と、兵庫県外から帰省していた息子2人は無事。部下の車で芦屋市を目指した。
途中から渋滞に巻き込まれ、神戸市東部から東へ歩いた。倒壊した家屋や毛布にくるまれた遺体を数多く見た。
昼前、東灘区で中年女性に声を掛けられる。「生き埋めになっている人がいる。手伝ってほしい」。一刻も早く職場へ向かおうと、谷川さんは「勘弁してください」。逃げるようにその場を立ち去った。「そのことが今も、心に引っかかっている」
芦屋市では、消防や警察と一緒に、生き埋めになった人の救助にも奔走した。「初日は82人助けて60人生きていた。2日目は22人助けて5人だけ。3日目は19人助けて、誰も生きていなかった」。講話では市内のデータを示し、「助け出すには初日が勝負。大規模災害では救助が間に合わず、隣近所の助け合いが大事」と呼び掛ける。
避難所の水洗トイレが断水で流れずパンクしたこと、遺体の火葬場が足りず、他府県の自治体に頼んで確保したこと-。行政の混乱も率直に語る谷川さんの講話は、20年間で1300回を超えた。
コロナ禍で語る機会が激減したことに加え、気に掛かることがある。11年の東日本大震災後、来館者の意識が津波に集中し、「直下型地震の話が、どこか遠くなった」と感じている。
同センターの語り部は40人のうち、70代以上が7割を占め、高齢化が課題だ。開設時のメンバーは21人のうち12人残るが、既に亡くなった人もいるという。「記憶の継承には、僕らの体験を語り、生かしてもらうしかない。やりがいのある語り部を、これからも続けていきたい」。谷川さんの言葉に力がこもった。
(上田勇紀)
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