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グランピング施設「グランアップル神戸三田」。神鉄フラワータウン駅から歩いて行ける=三田市富士が丘
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グランピング施設「グランアップル神戸三田」。神鉄フラワータウン駅から歩いて行ける=三田市富士が丘
「寿ノ湯」のライブラリーには、こだわって選んだ珍しい本がずらり=三田市富士が丘
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「寿ノ湯」のライブラリーには、こだわって選んだ珍しい本がずらり=三田市富士が丘
高橋泉社長
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高橋泉社長

 兵庫県三田市に昨年12月、グランピング施設「グランアップル神戸三田」がオープンした。グランピングの語源は、グラマラス(魅力的)なキャンプ。言葉通り「映(ば)える」施設だが、ルーツをたどれば昭和40年代まで三田駅前で営業していた銭湯があった。阪神・淡路大震災、そして新型コロナウイルス禍に見舞われた運営会社の曲折が、誕生につながった。(土井秀人)

 のどかな田園の中、新緑に囲まれ、8棟のテントが立つ。室内にはベッドや冷蔵庫があり、冷暖房完備で快適。手ぶらで訪れてもバーベキューなどが楽しめる。

 当初は日帰りのみの営業だったが、今年3月に宿泊の受け入れを始めると、平日を含めた稼働率は8割という人気ぶり。神戸、大阪から車で約40分とアクセスが良く、手軽にアウトドアを満喫できる。

 道を挟めば、温浴施設の「寿ノ湯」が立つ。1万冊の蔵書があるライブラリーや岩盤浴でゆったりとした時間が過ごせる。

     ◇

 二つの施設を運営するのは冠婚葬祭を軸に展開するレック(神戸市中央区)。社長の高橋泉さん(61)は三田市出身で、短大卒業後に母が営む冠婚葬祭会社で働いた。離婚を機に1989年、29歳で独立。子どもを育てながら神戸市内でパーティードレスのレンタル店やエステティック店を運営し、無我夢中で仕事する中、阪神・淡路大震災が起きた。

 壊滅した街に言葉を失った。店が全壊するなど倒産も覚悟した。そんな中、母の手伝いで遺体安置所の体育館へ行き、何百もの遺体を目の当たりにした。大勢の遺族がいるのに静まり返り、まるで音のないスローモーションの世界だった。

 自分にできることを自問し続け、「震災から立ち上がり、神戸で夢と希望をもたらす会社を築こう」と決意。震災後に始めた婚礼アルバムや小規模結婚式の事業が軌道に乗り、グループの年商は121億円にまで成長した。

     ◇

 高橋さんの祖母は、昭和40年代ごろまで三田駅前で銭湯「寿」を経営していた。高橋さん自身も幼少期、母と一緒に番台に座っていた記憶があるという。「小さいながらに『いらっしゃいませ』と言って番台に立つのが楽しくて。私にとって商売の原点みたいなもの」とほほ笑む。

 漠然とだが「いつかは温浴施設をしたい」と思っていたところ、休止中の施設の買収を打診された。祖母の銭湯にちなんだ名前を付け、2020年に寿ノ湯を開業した。

 だがオープン直後、新型コロナの感染拡大が直撃し、休業を余儀なくされた。その後、客足は戻りつつあったが、今度は燃料費が高騰した。「お風呂だけでは厳しい。寿ノ湯をもっとゆっくり楽しんでもらう仕掛けが必要だ」

 相乗効果を期待し、寿ノ湯の駐車場にグランピング施設の開設を決断。当初は神戸や大阪の客を想定していたが、予想以上に地元の客が多かったという。帰省した孫を連れて宿泊する家族や女子会、カップルなどでにぎわっている。高橋さんは「コロナで経営環境は天と地くらい変わったが、宿泊と温浴という新たな核がグループにできた。地元の三田を盛り上げていきたい」と話す。

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