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 兵庫県三木市の立三木特別支援学校で人工呼吸器を装着した女子生徒(16)が意識不明の重体となった問題で、第三者による事故調査委員会は2日、報告書概要版を公表した。発生時の学校看護員の対応を「水準から逸脱した行為があったとはいえない」としつつ、もっと早い段階で人工換気を施していれば「脳死に近い状態になることを回避できた可能性がある」と指摘した。

 2020年12月11日、当時中学部3年の女子生徒は、肺や気管の痰排出を補助する措置を施すために学校看護員が体を持ち上げた後、容体が急変し、意識不明の重体となった。現在は「脳死に近い状態」という。

 報告書は、呼吸不全の主な原因を気道深くでの痰の詰まりと推察した。カテーテルを挿入して痰を吸引しようとしたがかなわず、容体の変化から約2分後、体内に空気を送り込む「バッグバルブマスク」による人工換気が行われた。会見で調査委は「(看護員の対応を)不適切とは思っていないが、人工換気のタイミングが遅れた」とした。

 また、女子生徒は事故半年前に呼吸不全とみられる状況に陥ったことがあったのに、医師や保護者に知らされず、看護員への指示書に対策が盛り込まれなかった。調査委は「適切な指示書に結びついて、看護員が(対策の)技術を習得していたら、同じような状況が起こる可能性は低くなった」と指摘した。

 女子生徒の保護者は神戸新聞社の取材に対し、「半年前を踏まえて改善してもらっていたら、娘は脳死に近い状態になることはなかったのではないか」と話した。(長沢伸一)

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