生きるのがヘタな自分を認め、生きるのが楽になる方法を考えてみませんか? 「筋金入りの生きベタさん」という兵庫県宝塚市在住の漫画家細川貂々さん(52)と、相愛大学長で大阪府池田市の如来寺住職、釈徹宗さん(60)が、生きづらさについて語り合った本を出版した。幼少期からずっとしんどかった細川さんゆえのエピソードや対処法が詰まっている。
新刊のタイトルはその名も「生きベタさん」(講談社)。2015年に釈さんの著書に細川さんがイラストを描いて以来、2人は親交を深めてきたという。
細川さんは1996年に漫画家デビュー。うつ病を患った夫の闘病を描いたコミックエッセー「ツレがうつになりまして。」(幻冬舎)はテレビドラマ化、映画化された。11年に宝塚市に移り住み、同市立中央図書館で月1回、生きづらい人たちの集まり「生きるのヘタ会?」を開いている。
そんな細川さん自身は、どんな生きづらさを抱えてきたのか-。
昼寝も、お遊戯も「なにかと強制されるのがイヤで、地獄だった」という幼稚園時代。小学校以降も集団生活がしんどかったという。「目立たず、自分を下げることが生きる上でのルール」と考える母の存在も、生きづらさに拍車を掛けた。
結果、「自分のことが大嫌いなネガティブ思考クイーンになった」。高校卒業後は事務の仕事や工場勤務をするも続かなかった。
そんな中、一念発起してデザインの学校へ。子どもの頃から好きだった絵を描くことを仕事にしてきたが、細川さんいわく「社会に適応できるようになったのは48歳」という。
48歳の時、精神科医から「脳の発達の仕方が定型発達の人とは異なる非定型発達」と言われた。空気が読めなかったり、思ったことがそのまま口から出てしまったりするなど、コミュニケーションが難しい「自閉スペクトラム症タイプ」と診断された。ただ「自分の正体が分かった」ことが、気持ちが晴れるきっかけになったという。
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細川さんが主宰する「生きるのヘタ会?」は、高校生から80代まで、幅広い年代の人が参加している。円になって座り、それぞれが人間関係や仕事の悩みを語るのを、みんなで聞いて話し合う。
「モヤモヤを言葉にし、みんなの真ん中に置くことで、気づくことがある。悩んでいるのは自分だけじゃないとも分かる」
本では、しんどさを軽くする手だてを伝えるが、宝塚の集まりのような「同じ問題を抱えている人との居場所を大切にする」もその一つ。ほかに「自分の弱点を知る」「弱さを自己開示する」「他者を観察し、マネしてみる」なども示している。
細川さんは「混乱している今の時代が『生きベタさん』をつくっている面もある。でも、生きるのがヘタだから駄目なわけじゃないし、心の荷物を下ろす方法はある」と話している。
四六判224ページ。1430円。
(中島摩子)
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神戸新聞は、細川貂々さんとコラボした特別企画「生きるのヘタ会? てんてん×神戸新聞」を展開中。インターネットサイトなどで生きづらさについての投稿やインタビューを掲載している。サイトはこちら

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