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「ウクライナはシャイで穏やかな人が多い。まさか、こんな戦争になるとは」と話す守山俊吾さん=神戸新聞社
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「ウクライナはシャイで穏やかな人が多い。まさか、こんな戦争になるとは」と話す守山俊吾さん=神戸新聞社

 ロシアによるウクライナ侵攻に多くの文化関係者も心を痛めている。出口が見えない中、自分たちに今、できることは何か。兵庫ゆかりの5人に思いを聞いた。

■ウクライナに目を向け続けて 

 遠く離れた国の出来事かもしれません。しかし、日本の皆さんには人ごとだとは思わず、今ウクライナで起きていることにぜひ目を向け続けてもらいたい。あまり印象がないかもしれませんが、ウクライナにはアニメの影響で日本語を学ぶなど、親日家も多いんです。

 知人の通訳に紹介してもらい、首都キーウのリーセンコホールで、2006年に初めてキーウ交響楽団を指揮しました。最高品質のベルベットに触れているかのような、温かい弦楽器の音が魅力の楽団です。日本とウクライナの合唱団が協力し、「第九」(ベートーベンの『交響曲第9番』)を演奏しました。以来、新型コロナウイルスが流行するまで毎年訪れていました。

 当時、ウクライナは経済的に豊かとは言えず、楽団では穴の開いた管楽器を使っていました。支援と文化交流のため、日本の音楽家らで新品の楽器などを購入し、約10年寄付を続けました。1年目はホルン、2年目はオーボエ、3年目はピッコロ…。ホルンの奏者は、私が楽団を訪ねるたび「君がくれたホルンだ」と見せてくれました。

 多くの友人がいます。その1人、西部の都市リビウにあるホテルのゼネラルマネジャーには4月23日に、安否確認のメッセージを送りました。「私の建物からわずか1キロの場所にミサイル攻撃があった。ここに安全は全くない」と返事がありました。「この戦争に勝って終わりたい。いつか、あなたがリビウに戻ってくることを願っている。私は大きな喜びとともに、あなたのコンサートを訪れることができるだろう」とも。

 一方で、ロシアとも長年交流があります。1990年代前半、K・セルゲイエフ先生にバレエ音楽の指揮を学びました。98年にはサンクトペテルブルクのクラシック・バレエフェスティバルに指揮者として招かれ、それから8年間毎年通いました。

 ウクライナ侵攻以降、日本国内のコンサートではロシア音楽の演奏を自粛する動きがあるようですが、個人的にはロシア人作曲家の作品の内容を選んで、演奏しないと言う考えはありません。作曲家やバレリーナ、オペラ歌手、市民は悪くないからです。ロシアにもたくさんの友人がいますが、日本と比べて過酷な条件の中で懸命に生きています。

 音楽家としてどう人助けをするか。大事なのは平和を願う気持ち。思いを同じくする関西の音楽家と6月25日、ザ・シンフォニーホール(大阪市)で人道支援コンサートを開く予定です。出演者は全員ノーギャラ。交通費など必要経費を除き収益をウクライナや難民を多く受け入れているポーランドのため寄付します。一日も早く、人間愛に満ちた世界になることを願っています。

(聞き手・藤森恵一郎)

 ▽もりやま・しゅんご 大阪府音楽団(現日本センチュリー交響楽団)でクラリネットから指揮者に転向。退団後、ロシアでバレエ音楽を学び、ブルガリア、ウクライナなどのオーケストラで多くの指揮経験を持つ。現在「シンフォニア・アルシスOSAKA」主宰。川西市在住。

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