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男性はウガンダで拷問を受けた人々の写真を掲載しているインターネットサイトを見せながら、国内にいた当時の迫害を訴えた(画像の一部を加工しています)=神戸市内
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男性はウガンダで拷問を受けた人々の写真を掲載しているインターネットサイトを見せながら、国内にいた当時の迫害を訴えた(画像の一部を加工しています)=神戸市内
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 ロシアの軍事侵攻で避難したウクライナ人の受け入れが進んでいた4月下旬。自国政府から迫害されたとして、日本に助けを求めた東アフリカ、ウガンダ出身の男性(37)が在留を認められないまま日本を去った。難民申請中の生活は、ウクライナからの避難者と異なり支援も少なく、苦しかった。「日本にいても何もできない」。それが、約2年半過ごして得た結論だった。

■何度も逮捕、拷問

 男性はウガンダで30年以上続くムセベニ政権に反対する運動を続けてきた。何度も逮捕、拷問されたという。命の危険を感じ、国を離れると決めた。

 日本を目指したのは「民主主義の国」と感じたからだ。独裁が続くウガンダと異なり、世論の高まりで日本の首相が交代するニュースを見たことがあった。

 2019年6月に来日。空港で入国手続きが終わる前に難民認定を申請したが、入国管理局の施設に収容された。いつ出られるのか分からないまま半年以上が過ぎ、20年春にようやく、事情が認められ身柄の拘束が解かれる「仮放免」となった。

■「仮放免」家も借りられず

 だが、仮放免中だと家を借りることさえ難しい。まとまった現金も保証人もないからだ。弁護士を通してつながった神戸市の非政府組織(NGO)「神戸外国人救援ネット」を頼り、神戸に住まいを確保した。

 仮放免中は働けない。アジア福祉教育財団難民事業本部(東京都)を通じ、国から家賃が月4万円、生活費が月5万円ほど支給されるが「健康で文化的な最低限度」とされる生活保護よりも2万円以上低い。

■ウクライナ避難者との格差

 兵庫県のウクライナ避難者への支援とは大きな差がある。生活費だけでなく、子どもの教育や日常生活の支援も違う。病院に通うのも事前の相談が必要で、頭や膝が痛くても我慢した。

 難民申請は認められなかった。自国政府からの迫害を立証しなければならず、ウガンダの知人と連絡を取り、逮捕されたときの写真や新聞記事などを集めて提出したが、「なぜカメラ目線なのか」「フェイクの記事ではないか」などと認めてもらえなかったという。

■「日本人と結婚するしか…」

 「日本で生活するには日本人と結婚するしかない」。知り合った外国人に助言されたが「ビザのために結婚するのはおかしい」と男性。「ストレスばかりだった」と振り返る。

 男性は不認定取り消し訴訟を起こしたが、判決が下る前に、知り合ったウガンダ人を通じて帰国の機会を得た。「今帰れば命までは狙われない。2週間ぐらいの拘束で済むのではないか」と、ある程度の危険を覚悟して帰国を決めた。飛行機代約18万円は同NGOが立て替え、緊急カンパを募る。

■「帰りなさい」と言い出すのでは

 帰国前日、男性は取材に応じた。「今、日本はウクライナ人のサポートをしているが、戦争が終われば『帰りなさい』と言い出すのではないか。私がウクライナ人なら日本には来ない」。私たちにそう言い残した。

 男性が来日した19年、日本では1万375件の難民申請があったが、認定されたのは44件、認定率は0・4%。先進国の中でも極端に低い。

 男性の帰国後、同NGOはアジアや中東、アフリカなどから保護を求めて来日する人々には支援がほぼないとして「ウクライナ避難民の受け入れをきっかけに、難民を受け入れる日本に変わることが望まれる」と声明を出した。(高田康夫)

     ◇     ◇

【ウクライナ避難者への支援】 ウクライナの危機的状況を踏まえた緊急措置として政府が実施。日本に親族や知人がいない避難者に生活費1日最大2400円を支給。医療費や日本語教育、就労支援の実費も負担する。ビザも「短期滞在」から就労が可能な「特定活動」(1年)への変更を認める。兵庫県はふるさと納税制度の寄付を財源に支援。生活用品の購入費を50万円まで支給するなど日常生活のサポートもしている。企業からは自動通訳機など生活用品の提供が相次いでいる。

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