過疎地域で神職の人手不足が深刻化している。面積で兵庫県の4分の1を占める但馬地域には神社が738社あるが、宮司は29人しかおらず、1人平均25・4社を担当する計算だ。特に大変なのが、10月の週末に集中する秋祭りのシーズン。限られた人数では手が回らなくなってきており、都市部の大きな神社から「助っ人」の派遣を受ける試みも始まった。
(長谷部崇)
過疎化が進む但馬地域では、収穫や豊漁に感謝する秋祭りで、神輿の担ぎ手など祭りの維持に必要な人手が足らなくなってきている。昔は各神社が毎年決まった日を祭礼日としていて、近隣と日程が重ならないようにしていたが、少子高齢化が進むにつれ、働き盛りの人が参加しやすい土日に集中するようになった。
そこに浮上してきたのが、祭りの神事をつかさどる神職の不足という別の問題だ。過疎地域では氏子だけでなく、宮司や禰宜などの神職も高齢化や後継者不足に悩まされている。兵庫県神社庁によると、4月1日時点で県内の神社は3814社あり、宮司は355人。うち但馬地域の神社は738社、宮司は29人にとどまり、宮司1人当たりの神社数は県平均(10・7社)の倍以上となっている。
後継者がいない宮司が亡くなるなど、宮司が不在になった神社をカバーする「兼務社」を1人で数十社抱えるケースも珍しくない。
香美町香住区の金刀比羅神社の田淵義親宮司(70)は、町内や豊岡市に兼務社が80社ある。秋祭りの時期はこれらの神社の日程が集中。とても手が回らないため、近隣地域の神職にも応援を頼み、手分けして予定を組むが、氏子が運転する車で1日に6社も7社も回り、30分や40分刻みのスケジュールで神事をこなす。
「年に1度の大切なお祭りを神職の都合で途絶えさせるわけにはいかない」と田淵宮司。「それでも近年は地元だけで神職を確保するのが難しくなってきている」と話す。
但馬地域のSOSに手を差し伸べたのが都市部の神社だ。
宮司の急逝などが相次ぎ、いよいよ神職の手が足らなくなった但馬地域の要望を受けて、2018年10月に生田神社と湊川神社(いずれも神戸市中央区)が4人の神職を派遣。お菓子の神様「田道間守命」で知られる中嶋神社(豊岡市)など、豊岡市の13社を分担して秋祭りの神事を執り行った。19年10月には長田神社(神戸市長田区)と西宮神社(西宮市)も加わり、7人が手分けして豊岡市の24社を巡った。
2年続けて派遣された湊川神社の矢部通隆禰宜(55)と岡村光浩権禰宜(49)は、気比神社や西刀神社(いずれも豊岡市)など日本海に面した地域の5社を担当。神社での神事の後、地区を巡行する神輿に付いて歩いた。御旅所ではおはらいをし、総代に交じって餅まきにも参加した。
矢部禰宜は「壮年の人たちも一生懸命神輿を担ぐ姿に、お祭りを地域で守ろうという気概が伝わってきた。地方の実情を知ることもできて、新鮮で有意義な体験だった」と振り返る。地元の人たちも「遠くからわざわざ」と歓迎してくれたといい「これからも支援を続けていければと思うし、若い神職にも但馬の秋祭りを経験してもらいたい」と話す。
田淵宮司も「都市部からの派遣がなければ、祭りが成り立たなかったかもしれない」と感謝する。20、21年の派遣はコロナ禍で見送られており、今年の秋祭りについてはまだ方針が決まっていないという。

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