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着替え室でおむつのストックを補充する保育士。個々のかばんから出し入れする必要もなく、保育士にとっても助かる=加古川市平岡町新在家2
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着替え室でおむつのストックを補充する保育士。個々のかばんから出し入れする必要もなく、保育士にとっても助かる=加古川市平岡町新在家2
加古川市では市立認定こども園、保育園で使用済み紙おむつの持ち帰りをやめた。業者の収集まで保管箱で管理している=加古川市内
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加古川市では市立認定こども園、保育園で使用済み紙おむつの持ち帰りをやめた。業者の収集まで保管箱で管理している=加古川市内

 乳幼児を保育園などに預ける親が煩わしいのは、園に持参する紙おむつの準備だろう。朝食や仕事の支度をして、さあ出掛けようと思ったら、おむつのストックがなかったり、名前を書き忘れていたり…。そんな親たちが熱い視線を送るのが「おむつのサブスクリプション(サブスク=定額利用)」だ。おむつは園に届けられ、使い放題。かばんに詰めなくていいし、残数を気にする必要もない。使用済み紙おむつの持ち帰りをやめる園も増えるなど、保育を巡る「おむつ事情」は様変わりしつつある。(増井哲夫)

■保育士の「ストレス」も解消

 兵庫県高砂市伊保崎5の認定こども園「さいしゅうじこども園」は昨年4月、子育て事業のベンチャー「ベビージョブ」(大阪市)のサブスク「手ぶら登園」を導入した。

 午前8時すぎ、子どもを抱えた母親らが次々と登園。保育士にかばんを渡し、子どもを預けると「じゃあ行ってくるね」と笑顔で仕事に向かう。導入前から長男(5)、導入後に次男(2)を預ける高砂市のパート女性(33)は「姫路市の勤務先まで車で40分。午前8時には自宅を出なければならず、長男の時はおむつの準備が本当に面倒だった」と振り返る。

 「園側も導入前はバタバタだった」と話すのは暉峻(てるおか)紀子副園長。導入前、園児1人につき紙おむつ4枚に名前を書いて持参してもらっていた。保育士がおむつを並べて数や名前を確認。着替えの時間帯に分けた四つのかごに入れ、トイレに持って行く。

 朝は親も急いでいるので、名前の書き忘れや、字が読み取りにくいこともある。その間、園児同士のトラブルにも気を使わなければならず、保育士にとってもストレスだったそうだ。「今はかばんを受け取ってすぐ保育に集中できる」と暉峻さん。

 ベビージョブは2019年7月に衛生用品大手「ユニ・チャーム」(東京都)と連携し、サブスクをスタートさせた。保護者がベビージョブと契約する仕組みで、おむつの種類別に月額料金は2508円と3278円。5月現在で2030園(兵庫県では66園)が導入している。ほかにP&G(神戸市)がおむつブランド「パンパース」でサブスクを展開するなど、参入の動きが広がる。

 ベビージョブは「サブスク導入は、まだ全保育施設の1割にも満たない。保護者にも保育施設にも好評なので、本格化するのはこれから」とみている。

■衛生面からも

 もう一つ親を悩ませてきたのが、使用済み紙おむつの持ち帰りだ。近年、衛生面から、県内でも公立の保育施設を中心に持ち帰りをやめる市町が増えている。

 神戸、明石市は20年度、姫路、加古川市は21年度に市立の保育施設で業者収集に切り替えた。同社の調査によると、公立の保育施設で持ち帰りをしている県内の自治体は、21年19市町から22年14市町に減った。

 私立の認可保育施設でも、神戸、姫路、明石市は処分費用の助成制度を整備。神戸市では9割前後の園が、明石市では布おむつ使用の1園を除く全園が持ち帰りをやめている。

 サブスク導入で紙おむつの持参、持ち帰りの両方とも必要ない園もある。

 JR東加古川駅近く、生後6カ月~3歳未満を預かる小規模保育施設「ぬくもりのおうち保育」東加古川園(加古川市平岡町新在家2)は、ベビージョブが運営する46園の一つだ。サブスクを導入しているが、利用者負担はない。おむつは着替え室にサイズごとに一定数をセット。使用済みおむつの処分も同園が行う。

 0歳児を預ける加古川市の主婦(30)は「持ち帰る途中の臭いや家での保管場所の心配もいらない。サブスクで、家に置いておくおむつの量も少なくて済む」と歓迎。いずれ再就職したいと考えており「こうしたサービスがもっと広がってほしい」と期待を寄せた。

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