将棋の若手棋士の登竜門「第12期加古川青流戦」(兵庫県加古川市など主催、神戸新聞社共催)が開幕した。今期は四段14人▽奨励会三段21人▽女流棋士2人▽アマチュア強豪3人-が出場する。プロ四段が貫禄を示すのか、奨励会員や女流棋士が初めて頂点に立つのか、はたまたアマが通算2度目の優勝を果たすのか。地元勢の活躍ぶりを含め目が離せない。(井原尚基)
新型コロナ禍のため2020年の第10期は開催中止となり、昨年の第11期もアマ選抜大会は行われなかった同棋戦。今年は3年ぶりのアマ選抜大会も1月、加古川市で開かれ94人が参加した。
今期のトーナメントに出場する40人は、女流棋士の里見香奈女流四冠(女流王位、女流王座、女流王将、倉敷藤花)と西山朋佳女流二冠(白玲、女王)、アマ3人を含む全員が奨励会三段経験者だ。現役奨励会員の中七海三段を含め、初めて女性が3人出場している。
12日のトーナメント初戦は、3年ぶりに加古川市長による振り駒で開幕し、上野裕寿三段=加古川市=が三田敏弘三段を破った。16日には2戦が行われ、冨田誠也四段=同県三田市=が16強に一番乗り。慶田義法アマは1勝を挙げたが冨田四段に敗れた。
同大会の過去10人の優勝者はプロ9人とアマ1人。奨励会員や女流棋士が頂点に立ったことはなく、2回優勝した棋士もいない。加古川市在住で日本将棋連盟常務理事の井上慶太九段は、前期優勝した服部慎一郎四段の2連覇を本命視し、女性の活躍にも注目。「棋士のまち」を掲げる加古川ゆかりのプロは第1期覇者の船江恒平六段以降優勝しておらず「地元勢にも頑張ってほしい」と期待も寄せる。
決勝3番勝負は10月15、16日に加古川市の鶴林寺で行われる。
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