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ゲイの智尊さんと義宗さんが手をつなぐのは、人けのない夜だけ=神戸市内(撮影・坂井萌香)
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ゲイの智尊さんと義宗さんが手をつなぐのは、人けのない夜だけ=神戸市内(撮影・坂井萌香)
ゲイバー「ゆんたく。」のマスター修二さん。男性以外は入店できない=大阪市北区堂山町
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ゲイバー「ゆんたく。」のマスター修二さん。男性以外は入店できない=大阪市北区堂山町
ゲイの2人が手をつなげるのは、人けのない夜だけ。「自分たちが意識しすぎているだけかもしれない。でも、どうしても白い目で見られるのが怖くて」=神戸市内(撮影・坂井萌香)
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ゲイの2人が手をつなげるのは、人けのない夜だけ。「自分たちが意識しすぎているだけかもしれない。でも、どうしても白い目で見られるのが怖くて」=神戸市内(撮影・坂井萌香)
「関西随一のゲイタウン」とも言われる大阪・堂山エリア=大阪市北区堂山町
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「関西随一のゲイタウン」とも言われる大阪・堂山エリア=大阪市北区堂山町
「キープボトルはほぼゲイの人のもの」とマスターの修二さん=大阪市北区堂山町
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「キープボトルはほぼゲイの人のもの」とマスターの修二さん=大阪市北区堂山町

 「普段は友だちに見えるよう、気をつけてます」

 アウティング(暴露)などバイセクシュアルの男性職員へのハラスメント事案が起きた尼崎市で、パートナーシップを宣誓したゲイの智尊(ともたか)さん(41)と義宗(よしむね)さん(35)は、家族や友人にも打ち明けていない。

 街中で手をつなぐ男性カップルに注がれる好奇の目。インターネットの掲示板に書き込まれた匿名の暴言を見ると「これが現実か」と実感し、悪いことをしていないのに後ろめたい気がする。「白い目で見られ、拒絶されるかも」という不安がどうしても拭えない。

 朝は一緒に出勤するが、遠くに知り合いを見つけると、道の両端まで離れる。薬指のエンゲージリングは実家に帰るときは外す。

 店で料理を「半分こ」するのが、ささやかな恋人気分を味わえる瞬間だ。ただそれも、店員や他の客に見られないようにサッと。男女のカップルのように恋人の聖地で自撮りをしたい。手をつなぎ、神戸の夜景を眺めてみたい。でも…。

 2人は、真っ暗な夜の河川敷を散歩するときだけ、手をつなぐ。

 「傷つくのが怖いんです」

   †   †

 関西随一のゲイタウンと称される大阪・堂山。雑居ビル4階にあるゲイバー「ゆんたく。」は、男性以外の入店を禁止している。「普段は隠しているお客さんが圧倒的に多くてね」。そう語るマスターの修二さん(50)もゲイだ。

 客がハイテンションで扉を開ける。社長や警察官、新聞記者、校長…、隣り合わせた者同士で乾杯し、歌う。肩書も地位も関係ない。閉店は午前2時だが、週末は朝までが常だ。修二さんは「昼間の世界とは一線を画す、別世界みたいなものかもね」とほほ笑む。

 数少ない「本当の自分」でいられる夜の空間。ただ、20代前半は「夜」に生きていたというゲイの健さん(30)=仮名=はこんな話を何度も聞いてきた。

 知り合いのゲイバーの店主や客がある日突然、命を絶った。大量の薬を飲んだ-。「みんな、あんなに楽しそうにしていたのに…」

   †   †

 大阪市の2019年の調査によると「自殺を図ったことがある」と回答した人の割合は、異性愛者らに比べ、レズビアン、ゲイ、バイセクシャルの人は約6倍、トランスジェンダーの人は約10倍も高かった。

 同市内の精神科医、西井重超さんは「性の自認や指向を否定され続けると、自己肯定感が著しく低下してしまう」と指摘する。ケアしようにも家族が拒む例も少なくないという。

 尼崎市の問題で幹部は性的指向を借金や病気と同じ「私的な悩み」と口にしたが、当事者の体験から浮かび上がるのは「社会=公」から認められていないと感じ、さまよう姿だ。

 市は改めて性的マイノリティーの「アライ(味方)」を増やす研修に着手した。その根底となる「理解」は、社会にどこまで広がっているのだろうか。(大田将之、池田大介、広畑千春)

【バックナンバー】
(1)性告白を否定「幹部辞めさせろ」全国から批判

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