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絵本のパネルを手にする竹紫春翔さん(左)とHaijiさん=大阪市内
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絵本のパネルを手にする竹紫春翔さん(左)とHaijiさん=大阪市内
ミュージカルの公演前披露で竹紫さんの経験を演じる劇団WAO!のメンバー=大阪市内
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ミュージカルの公演前披露で竹紫さんの経験を演じる劇団WAO!のメンバー=大阪市内

 僕は男なのに、体は女。自分が何者か分からない。何度も死のうと思った。でも、過去の僕ががんばって生きてくれたから、今の僕がある-。女性として生まれ、男性として生きるトランスジェンダーの竹紫春翔(ちくしはると)さん(33)=神戸市灘区=が幼少期から抱いてきた思いや葛藤が、ミュージカルと絵本になる。今がどんなにつらくても「未来は明るい」。そんなメッセージが伝わるよう願う。(高田康夫)

 竹紫さんはLGBTなど性的少数者について講演するなどタレントとして活動している。

 LGBTの言葉もなかった幼少期。小学6年生で女性の先生を好きになり、人とは違うことを確信した。中学2年生で生理がきた。女性である自分を認めなければいけなくなった。「どうやって生きていけばいいのか」。悩み続けた。

 小学生の時から打ち込んだのが野球だった。男子と一緒の格好ができる。中学、高校、大学と続けてきた。女子部員は珍しく、新聞などのメディアにも取り上げられた。野球をやめたい時もあったが「男でいられる場所がなくなる」。そんな思いが根底にあった。

 学生時代にはいじめにも遭った。死のうと思って学校の屋上に上った。家の台所で包丁も手にした。それでも手が震えて刺せなかった。「死ぬこともできない弱虫な人間だ」。自分でそう思ってきた。

 「このまま、うそをついて生きていれば、自分が壊れる」。もう限界だった。母親に言おうと決めた。親子の縁を切られると思い、荷物をまとめてから切り出した。

 「僕は男なんです」

 母親の言葉は予想と違った。「いいじゃない。あなたの人生なんだから、あなたらしく生きなさい」

 その頃、テレビで活躍していたタレントのはるな愛さんらに生きる希望をもらった。LGBTなど性的少数者のことを知った。「自分が何者か分かったことで、前を向いて歩けるようになった」

 劇団WAO!(大阪市)は竹紫さんの経験を聞き取り、ミュージカル「生まれた時から嘘(うそ)つきで」を6月25日に披露する。

 記者のインタビューで物語は始まり、歌と踊りを織り交ぜて、悩みや葛藤、前向きに生きるまでを表現。竹紫さんは「この物語を見て、過去の自分に『生きていてくれてありがとう』と言えた。『未来は明るいよ』というメッセージを伝えたい」と話す。

 国立文楽劇場(大阪市中央区)で正午からと午後4時15分からの2回公演。チケットは4800円(高校生以下1500円)など。チケットは同劇団ホームページ(https://www.gekidan‐wao.com)かチケットぴあで購入できる。

 絵本「せかいにひとりだけのぼく」(みらいパブリッシング)は5月27日に出版予定だ。西宮市在住の絵本作家、Haiji(ハイジ)さんらとともに、クラウドファンディングで支援を募った。

 「LGBT」「トランスジェンダー」などの言葉は使わなかった。「どんな性でも、自分自身の個性を大切にしてほしい」。そんな竹紫さんの思いからだ。セーラー服を着た自分自身を鏡で見た時の絶望など重い物語も、Haijiさんの柔らかな絵で表現された。竹紫さんは今後、絵本を手に講演する予定だ。

 A5判、32ページ。1540円。通販サイト「アマゾン」などで買うことができる。

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