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ニホンイヌワシのひな確認 兵庫で2年ぶり 巣立ち向け「1カ月の餌が勝負」 但馬・扇ノ山周辺

2022/05/07 20:21

 国の天然記念物で絶滅の恐れのあるニホンイヌワシのひなが、兵庫県但馬地方の扇ノ山周辺で誕生、成育しているのが7日、確認された。この巣でのひな確認は23年ぶり、県内では2年ぶり。

 日本イヌワシ研究会員と兵庫県などの調査チームが、断崖絶壁の岩場にある巣の中で白い羽に包まれた体長40センチほどのひな1羽がいるのを発見した。

 巣の中には親鳥が運び、食べたと見られるウサギの骨や、まだ生きているシマヘビが見えた。母鳥が餌を持って巣に帰ってくると、元気に鳴き声を上げていた。

 扇ノ山のつがいは県内2ペアのうちの一つ。昨年秋から求愛行動が見られ、年明けには交尾も観察されていた。ふ化したのは3月29日とみられる。

 猛禽類に詳しく、調査に同行した「神戸どうぶつ王国」(神戸市中央区)の佐藤哲也園長(65)は「抜け毛もなく目に力がある。親鳥が帰った時の動きも速く、ふんもきれい。元気に育っており、体調は極めてよさそう」としつつ、「これからの1カ月でどれだけ餌を確保できるかが勝負」と話した。

 県内では2年前に氷ノ山周辺でひなが誕生したが、巣立ち後に餌不足で死んでいる。

 順調に育てば、6月上旬にも巣立ちし、大空を舞う幼鳥の姿が見られそうだ。(山崎 竜)

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