沖縄県は15日、日本復帰から50年を迎えた。コバルトブルーの海や独特の南国文化は国内外から注目を集め、今や屈指の観光地としてめざましい発展を遂げた。ただ、半世紀前に県民が描いた「平和な島」への実現には、どれだけ近づいたのだろうか。沖縄出身の記者(36)が、節目に古里を歩いて、考えた。(久保田麻依子)
■米軍機爆音「当たり前」のまま
本土より一足早い梅雨に重なり、沖縄入りした11日から連日、雨に見舞われた。特に15日は朝から激しい雨風が打ち付け、観光のメインストリートである那覇市の国際通りも、観光客はまばらだった。
「『世替わり』の50年前は大混乱だったよ」。国際通りで30年近く土産物店を営む真喜志守和さん(77)は懐かしそうに振り返る。ドルを円に替えに銀行へ行ったが、雨と行列でへとへとになった。それでも「米軍政下の重苦しさから解放されて、やっと沖縄が沖縄らしくなった」と喜んだ。
1990年代の爆発的な「沖縄ブーム」で、一躍修学旅行の聖地に。新型コロナウイルス禍は観光産業に大きく影を落とすが、真喜志さんは「大変だけど、何とかなるさ」。おおらかな県民性が垣間見えた。
ただ、常夏リゾートのイメージとは裏腹に、解決されない課題は山積する。
私の実家から少し歩けば、「東洋一危険な基地」ともいわれる米軍普天間飛行場(宜野湾市)が目の前に迫る。米軍機の離着陸は日に何度もあり、「バリバリバリッ」という爆音が耳をつんざく。小中学生のころは授業の中断も当たり前だった。久しぶりに聞くと不安に駆り立てられるが、公園で遊ぶ子どもたちは気にするそぶりもない。
「地上戦を生き抜いた沖縄の人たちから土地を奪い、今も返ってこない。裏切られた50年だった」。こう語るのは、普天間飛行場内にあった先祖の土地を個人で返還交渉にこぎつけ、私設美術館を建てた佐喜真道夫さん(75)。美術館には沖縄戦で犠牲になった人たちを描いた大作「沖縄戦の図」をメインに据え、修学旅行生に語り掛ける。
今も一部の墓は基地内に残されたままだ。佐喜真さんは「『命どぅ宝(命こそ宝)』の気持ちを後世にも伝え続けて、本当の意味で豊かな沖縄であってほしい」と力を込める。
■失われゆく伝統、未来につなぐ
~僕が生まれた この島の空を 僕はどれくらい知ってるだろう~
沖縄出身のアーティスト「BEGIN」の名曲「島人ぬ宝」の冒頭だ。高校生で初めて聞いたとき、ハッとさせられた。祖父母世代が話すウチナーグチ(沖縄の方言)は聞き取ることもできない。15日の式典でも披露された沖縄伝統の空手や演舞は、広く継承されているのだろうか。
糸満市に住む前川絵理さん(36)は4歳で琉球舞踊を始め、2年前に教師免許を取得した。子ども向けの指導を始める際にアンケートを取ったところ、小学生の8割が琉球舞踊の存在を知らず、ショックを受けたという。
「琉球王朝時代の舞踏家が男性のみだったのは、なぜだと思う?」。指導の合間には、歴史や風土にまつわるクイズも出して、子どもたちを引きつける。「沖縄が誇る伝統文化をもっと伝えたい」。強い思いに背筋を正された。
◆
沖縄戦の戦没者の名を刻む「平和の礎」(糸満市)は、沖縄戦の終結の地である摩文仁の丘の上に立つ。よく晴れた日には眼前に海が広がる。コロナ禍が収束した際には、観光の合間に共に考えてほしい。50年後の沖縄の未来を。
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