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神戸新聞平和賞を受賞した(左から)坂本花織さん、垣添誠雄さん、井上慶太さん、松下麻理さん、田中まこさん=1日午前、神戸市中央区波止場町、ホテルオークラ神戸(撮影・坂井萌香)
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神戸新聞平和賞を受賞した(左から)坂本花織さん、垣添誠雄さん、井上慶太さん、松下麻理さん、田中まこさん=1日午前、神戸市中央区波止場町、ホテルオークラ神戸(撮影・坂井萌香)

 優れた業績を上げた兵庫県ゆかりの個人・団体を顕彰する「第76回神戸新聞平和賞、文化賞、社会賞、スポーツ賞」の表彰式が1日、神戸市中央区のホテルオークラ神戸で開かれた。平和賞には、映画やドラマの撮影誘致やロケーション支援を行う「神戸フィルムオフィス」(神戸市中央区)が選ばれた。

 神戸フィルムオフィスは2000年に設立され、阪神・淡路大震災から復興する神戸の様子を映像で世界に伝えた。日本で初めて地下鉄線路内のロケを行い、旧居留地の交差点を封鎖した長時間の撮影も実現。これまでに3300本超の作品に携わった。

 期待しているのは、ロケ誘致がもたらす経済効果だけではない。生まれ育った場所で良い作品が生まれると、地元に愛着や誇りを持ってもらうことにつながる。そう信じて、これからも神戸の魅力を国内外に届け続ける。

 文化賞は将棋棋士九段の井上慶太さん(58)=加古川市=が受賞した。1983年にプロ入りし、92年に同市に移住。「加古川将棋倶楽部」の代表として「棋士のまち」を掲げる同市の存在感を高めてきた。

 実績と穏やかな人柄に引かれて多くの若者が集い、これまでに門下生6人がプロ棋士に育った。将棋のすそ野を広げ、後進の育成に大きく貢献した。

 社会賞を受けたのは、弁護士の垣添誠雄さん(80)=神戸市東灘区。約半世紀、暴力団追放運動や反社会的勢力の排除に向けた支援に尽力してきた。

 尼崎市で85年、女性が暴力団抗争の巻き添えになった事件では、全国で初めて、法廷で組長の使用者責任を認めさせた。「暴力団対策も被害者支援も不十分」。改善に向けた取り組みを続けている。

 スポーツ賞は、フィギュアスケート選手の坂本花織さん(22)=神戸市灘区=に贈られた。今年2月の北京冬季五輪では、女子シングルと団体の両方で銅メダルを獲得。神戸市出身者として初の冬季五輪メダリストとなった。

 3月の世界選手権では、女子シングルで金メダルに輝いた。目標に掲げた世界選手権の連覇に向け、期待が寄せられている。

 表彰式では、神戸新聞社の高梨柳太郎社長が功績をたたえた後、受賞者を代表し、神戸フィルムオフィス代表の松下麻理さん(60)が「受賞は神戸の方が支えてくれたおかげ。今後も多くの作品を撮影してもらえるように頑張りたい」と話した。(竜門和諒)

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