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伊丹市昆虫館が国内の施設で初めて繁殖に成功した絶滅危惧種のフサヒゲルリカミキリ(同館提供)
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伊丹市昆虫館が国内の施設で初めて繁殖に成功した絶滅危惧種のフサヒゲルリカミキリ(同館提供)

 伊丹市昆虫館(兵庫県伊丹市昆陽池3)は1日、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている昆虫「フサヒゲルリカミキリ」の飼育下での繁殖に、国内施設として初めて成功したと発表した。4~20日に同館で公開する。

 同種は岡山県内の一部で約100匹が生息しているとされるが、詳しい生態は分かっておらず、飼育や羽化が困難とされている。1年で世代が交代し、6~7月に羽化して約1カ月活動する。触角に房があり、体が深い瑠璃色であることから名付けられている。

 同館と足立区生物園(東京)は2018年から環境省と連携し、繁殖などに取り組んできた。昆虫館は六甲高山植物園(神戸市灘区)の協力を得て、幼虫の餌となる植物を確保し、学芸員が生息地に足を運んで冬季の幼虫の飼育方法を研究。21年夏、雄雌のペアを羽化させ、今季は60匹を羽化させることに成功した。

 田中良尚学芸員(45)は「野生の生息環境を詳しく観察することが繁殖の成功につながった。安定的な飼育ができるようになれば、すでに絶滅したとされる地域への野生復帰を目指したい」と語った。

(久保田麻依子)

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