山あいの小さなメーカーが生み出した技術が宇宙へ飛び立った。非常用の圧縮毛布などを手掛ける「足立織物」(兵庫県多可町中区)が、民間の宇宙産業商社のプロジェクトに参加し、宇宙空間での包装紙として同社の真空パック技術を応用。今年2月、国際宇宙ステーション(ISS)内の日本の実験棟「きぼう」に向け、打ち上げられた。(伊田雄馬)
足立織物は1950年に創業し、シャツ地やハンカチを生産する播州織メーカーとして事業を展開。2代目社長の足立利信・現会長が、生地の体積を小さくするためにタオルの真空パック技術を開発し、持ち帰り用ギフトとして人気を集めた。
生地をコンパクトにする技術は2011年の東日本大震災後、需要が高まった。災害時の避難所などで使う毛布をA4サイズに圧縮して全国の自治体や企業へ納入。新たな防災関連商品として注目を集めた。
今回のプロジェクトは昨年4月、宇宙ビジネスを手掛けるベンチャー会社「Space BD」(東京)から持ち込まれた。足立織物の技術に目を付け、「著名人のサインが書き込まれた紙を宇宙へ持っていく。宇宙空間で半年間、耐えられるよう、真空パックで包装してほしい」と依頼してきたという。
真空パック製作のノウハウは持ち合わせていたが、「宇宙で耐えられる」という条件が難問だった。地上と違い、実験棟外の宇宙空間ではパック内にわずかでも空気が残っていれば、膨れ上がって破裂してしまう。丸1日の中で200度近い温度差にさらされるため、水分も極限まで減らす必要があった。
同社の商品事業部開発技術担当の見尾谷有希さん(42)は、過酷な環境に耐えられる真空パックを施すため、専門家に助言を仰ぎ、機械の設定を調整するなどして最適な包装を編み出した。普段は使わないアルミニウムの加工は難しかったが、少しのしわが亀裂につながりかねず、繊細な技術を駆使して「宇宙用真空パック」を完成させた。
◇
同社の従業員は14人。製造過程に加え、発注から納期までわずか約1カ月半と時間的な制約もあったが、同社の足立美由希社長(32)は意気に感じたという。圧縮毛布を開発した際に「いつか深海や宇宙でも使われれば」と、厳しい環境で自社の技術を試す日を望んでいた。
2月20日深夜、ロケットが打ち上がり、直径7・5センチ、高さ約20センチの筒状の紙を包んだ真空パックは今も宇宙を漂っている。実験が成功すれば、圧縮毛布などの同社製品を宇宙用にパッキングする構想も膨らむ。足立社長は「経験のないチャレンジだった。小さな企業だが、難題に挑戦することで技術を高められた」と、9月の帰還を待ちわびている。

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