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終局後、感想戦を行う里見香奈女流四冠=5月27日夜、関西将棋会館(撮影・小林伸哉)
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終局後、感想戦を行う里見香奈女流四冠=5月27日夜、関西将棋会館(撮影・小林伸哉)
神戸新聞NEXT
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 将棋の里見香奈女流四冠(30)=女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=が、第48期棋王戦予選トーナメント決勝で古森悠太五段(26)に勝ち、女流棋士として初めて八大タイトル戦の本戦進出を決めた。同時に女流棋士として初めて棋士編入試験の受験資格を獲得。5月27日の対局後に行われた会見では「自分なりに考えていく中で、なんとか自信を持って戦える状況に持っていけた」と二つの快挙を遂げた心境を語った。(井原尚基)

 里見は棋王戦予選トーナメントで、今期順位戦B級1組に昇級した澤田真吾七段や、王位戦挑戦者決定戦に勝ち進んだ池永天志五段ら実力者を次々と倒し予選決勝へ進んだ。古森との対局は、先手番の里見が中飛車を、古森が三間飛車を選んだ後、里見が居飛車に戻して対抗形に。里見は銀や馬を取らせながらテンポよく攻め続け、終盤、桂打ちで古森の玉を中央に引き出して勝利を確実にした。

 「ここまで勝てるとは思っていなかったので、実力以上のものが出せた」と予選の5局を振り返り「もう1局多く指せることがすごくうれしい。厳しい戦いにはなるが、自分の力が出し切れるよう引き続き頑張りたい」と本戦に向けた意気込みを語った。

 里見は昨年6月、棋士との公式戦で30勝目を挙げ、清水市代女流七段(53)の記録を抜いて歴代単独1位となった。現在、棋士との公式戦成績は41勝50敗。「持ち時間が長くても自分の力を発揮できるよう戦えるようになった」と棋士を相手に一定の成績を収められるようになった手応えを語る。

 今回受験資格を得たプロ編入試験は、直近で10勝以上かつ勝率6割5分以上になれば受けられる。里見は2019年にあと1勝まで迫っていたが、果たせなかった経緯がある。

 この日の勝利によって10勝4敗となり、受験が可能に。会見で権利を行使する意向を尋ねられると「それなりに覚悟が必要な大きな決断になるので、受けるという気持ちは今のところあまり考えていない」と述べ「自分の中で受けたいという強い気持ちが出てきたら」と判断を保留。複雑な心境をのぞかせた。

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