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フランツ・リストを熱演する柚香光(左)とマリー・ダグー伯爵夫人の星風まどか=宝塚大劇場(撮影・辰巳直之)
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フランツ・リストを熱演する柚香光(左)とマリー・ダグー伯爵夫人の星風まどか=宝塚大劇場(撮影・辰巳直之)
ピアノの演奏を披露した柚香光=宝塚大劇場(撮影・辰巳直之)
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ピアノの演奏を披露した柚香光=宝塚大劇場(撮影・辰巳直之)
フレデリック・ショパンを演じる水美舞斗(中央)とジョルジュ・サンド役の永久輝せあ(右)=宝塚大劇場(撮影・辰巳直之)
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フレデリック・ショパンを演じる水美舞斗(中央)とジョルジュ・サンド役の永久輝せあ(右)=宝塚大劇場(撮影・辰巳直之)
スーツにコート、帽子姿が決まる柚香光=宝塚大劇場(撮影・辰巳直之)
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スーツにコート、帽子姿が決まる柚香光=宝塚大劇場(撮影・辰巳直之)
力強いショーの幕開け。柚香光(手前中央)、水美舞斗(同左)、永久輝せあ(同右)=宝塚大劇場(撮影・辰巳直之)
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力強いショーの幕開け。柚香光(手前中央)、水美舞斗(同左)、永久輝せあ(同右)=宝塚大劇場(撮影・辰巳直之)

 宝塚歌劇花組公演「巡礼の年~リスト・フェレンツ、魂の彷徨~」が4日、兵庫県宝塚市栄町1、宝塚大劇場で開幕した。トップスター柚香光が「ピアノの魔術師」と称されたピアニスト、フランツ・リストを情熱たっぷりに演じ、堂々たるエンターテイナーぶりを発揮した。人生初というピアノの弾き語りも見どころだ。

 19世紀初頭のヨーロッパ。超絶技巧による華麗な演奏とその美貌により、リスト(柚香)は音楽界のアイドル的存在としてパリの社交界を席巻していた。

 だが華やかな表の顔とは裏腹に、本当の自分を見いだせない苦悩の日々を送っていた。最大の好敵手、フレデリック・ショパン(水美舞斗)の才能に対しては、あこがれと嫉妬がないまぜになり、複雑な感情を抑えることができない。

 そんな彼の心の底を見透かすかのような批評記事に出合う。書いたのはマリー・ダグー伯爵夫人(星風まどか)。夫に、家に、世間の目に縛られた彼女は、リストに自身と同じ苦しみを見たのだ。やがて2人は出会い、恋に落ちる。パリを離れてスイスで静かに暮らすが、そんな日々は長く続かなかった。

 オーストリア帝国支配下にあったハンガリー王国出身のリスト。ハンガリー語ではリスト・フェレンツである自身の名を、ドイツ語らしくフランツ・リストと表記するしかなく、周囲の求める通りのスターとして振る舞う。本当の自分はどこにいるのか。その葛藤を、柚香は眉間にしわを寄せて、終始、苦悩の表情で表現する。柚香の切れ長の目にうかがうことができる愁いを帯びた視線。19世紀パリのサロンの女性でなくても、見る者は胸を締め付けられる。

 「自己プロデュース力、サービス精神から生まれるリストの華やかさを人間味を持って演じたい」と語っていた柚香。それは舞台人として最前線に立つ柚香自身と重なる。

 自らの居場所を探す、という点ではマリーも同じ。終盤、自由を求め、市民と共に革命の列に加わる。星風は困難な時代にあっても、自分というものを持ち、芯の通ったヒロインを凜とした風情で演じた。

 ショパンが思いの外、重要な役どころだが、その重責を水美が安定の歌、演技で担った。男装の女性作家として最初はリストの、最後にショパンの恋人となるジョルジュ・サンドを永久輝せあが演じ、こちらも意志を持った女性として、舞台をぐっと締めていた。

 作家のユゴー、バルザック、画家のドラクロワ、作曲家のロッシーニ、ベルリオーズといった、ロマン主義の時代を代表する芸術家たちが多数登場、華やいだパリの雰囲気が伝わってくる。ハッピーエンドではないものの、自分らしく生きるとは? という問いかけと、じんとくる余韻があるミュージカル作品だった。

 後半のショー「Fashionable Empire(ファッショナブル・エンパイア)」は、タイトルに掲げる通り、多彩な衣装で見せる。プロローグでは、男役は革ジャン風、娘役はミニスカートにブーツで、グルーブ感たっぷりの音楽に乗せて歌い踊る。

 終盤、スーツ、ロングコート、ハットなど、スタイリッシュかつエレガントないでたちに転じ、「あー、これこれ、こういうのが見たかった」という観客の要望に応えるかのよう。

 ショーでも水美が要所を押さえて大活躍。全員が登場し、歌と踊りのアンサンブルを見せる演出も多くあり、「歌って踊れる」花組の充実ぶり、層の厚さが際立つ舞台だった。

 7月11日まで。同30日~9月4日、東京宝塚劇場で。(片岡達美)

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