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会見で冒険を振り返る堀江謙一さん=5日午後、西宮市西宮浜4、新西宮ヨットハーバー(撮影・鈴木雅之)
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会見で冒険を振り返る堀江謙一さん=5日午後、西宮市西宮浜4、新西宮ヨットハーバー(撮影・鈴木雅之)
詰めかけた人々に祝福される堀江謙一さん=5日午後、西宮市西宮浜4、新西宮ヨットハーバー(撮影・斎藤雅志)
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詰めかけた人々に祝福される堀江謙一さん=5日午後、西宮市西宮浜4、新西宮ヨットハーバー(撮影・斎藤雅志)
船上からあいさつする堀江謙一さん=5日午後、兵庫県西宮市西宮浜4(撮影・鈴木雅之)
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船上からあいさつする堀江謙一さん=5日午後、兵庫県西宮市西宮浜4(撮影・鈴木雅之)

 太平洋の単独無寄港横断を世界最高齢で達成した堀江謙一さん(83)は5日午後1時すぎ、新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)に上陸して記者会見に臨み、69日間、約8500キロメートルの大航海を終えた思いなどを語った。一問一答は次の通り。

■新型コロナ禍に冷や汗

 「たくさんの方が集まってくださって、たじろいでいますが、お手柔らかにお願いします」

 -久しぶりに陸に上がった気持ちは?

 「何十日ぶりで海の上から陸へ上がって、意外に歩きにくい感じ。昔は陸に上がると、『陸は陸だな』と感じたが、今日は動いているような気がした。なじむのにもう1日位かかりそう」

 -多くの方に歓迎された。

 「僕自身の自己満足のためにやっているが、多くの方になんらかの影響を良いように与えられたのなら、望外の喜びです」

 -世界最高齢での達成となった。

 「一応世界最高齢なんですが、僕よりもっと高齢のヨットマンもいらっしゃる。でも、ヨットで海を渡るばかばかしいことはしたくないんだと思う」「最高齢で、ヨットで太平洋横断をすることは、ひとつの夢。夢を夢で終わらせず、現実の冒険として挑戦した。大過なく無事終えられたことは大きな喜び」

 -一番の苦労は?

 「2年前にコロナ禍が始まって、とても準備がしにくかった。予防注射を打たないと出国できない。船を運ぶ運賃が10倍になったりとか。出発の3日前に陰性証明がないと出国できないなど、いつストップがかかるか分からない。薄氷を踏む思いだった。それでも多くの皆さんの協力で一つ一つ解決していって、うまくいきすぎたぐらい」

■生涯チャレンジャーで

 -今後の目標は?

 「基本的には、生涯チャレンジャーでいたいと思っている。自身と家族の高齢があるので今すぐには言えないが、賢明な皆さんは僕のプロフィルを見ていただければ、次はこれくらいと予測してもらえれば」

 -航海での体調面ではどうだったか?

 「準備ができていれば、明日にも出発できるという気持ちはいつもある。なので、健康な方だと思っている」

 -それなら次の航海にすぐに出られそうですね。

 「まあ、そういうところもあるが、次にこうしたいって言ってもね、家族はそんな甘いもんじゃないですからね。厳しいですから。それでも航海中にはいろいろ思い描いていました」

 -1人で航海していても、毎日、いろんな人から連絡があった。

 「60年前の航海はラジオしかなかった。今では古野電気さんのトラッキングシステムのようなものもある。あれはこちらが丸裸にされたみたいで、やりやすいような、やりにくいような。時代が大きく変わってきた」

 「これからも通信方法が開発されていくと思う。それに対応していけばもっと楽しい航海ができると思う。期待している」

 -どこにいるかすぐ分かりますもんね。

 「だから飲みに行けないですよね」

■初心に返って再学習

 -土曜、日曜にはアマチュア無線で、270局270人以上の人、そして子どもたちと交信した。

 「1974年にアマチュア無線を使い始めた。たくさんの方との交信は、病気の時でもアドバイスをいただいたりと実用性がある。今はより楽しくできるようになっている。もっと若い人に参加してほしい」

 -終盤は黒潮や悪天候で大変だった。

 「基本的には経験が役だった。ただ、前回の航海が10年以上前で、その前からは20年近く空白があった。経験は生かされているが、忘れている部分もあった。何事も初心に返ってやるべきだと思った。今回の航海でそこを再学習できた。次回があれば、再学習したことを踏まえて準備すれば、もっといい航海ができると思う」

 -一番印象に残っていることは?

 「今回はいろんな障害あったが、皆さんがいろんなところで全力でカバーしてくれた。皆さんが協力してくれて、チャレンジへの理解が深まった。そういう時代になってきたと思う」

 -60年前の航海が頭をよぎったことは?

 「サンフランシスコへ行った時に、60年前の航海のことを覚えてくれている現地の方がいた。それが今回の航海にも役だった。60年前のことがよみがえってきたようで、よかったなと思っている」

■冒険家でなくヨットマン

 -80歳を超えたからこそ見えた景色は?

 「そうね、何でしょうね。若い間は高齢の人が何をしたかには関心がなかったけど、ある程度の歳を重ねると、自然と関心が出てきた。そのことで自分の立ち位置が見えてくるような感じ」

 -上陸後、水を飲んでいた。ビールがほしかったのでは?

 「そうなんですね。前回もその前も到着した時には、ギンギンに冷えたビールを用意していただいたんですが。今回も期待していたんですけどね」

 -北海道・知床の観光船事故について。

 「ラジオで航海中に事故があったと聞いた。僕たちは自分で計画してやっているので、事故も自己責任でやってるが、たくさんの人が事故に遭うと、気を付けないといけないと思った。海の上からですが、ご冥福をお祈りさせていただいて、すごく気にしてた」

 -17年前のインタビューで「冒険家と自分では言わない」と言っていた。

 「僕はヨットマンでいいと思っている。冒険家と評価されるのはうれしいことですが、自分から言うことではないという思いは変わらない」

■海はきれいになった

 -何度も太平洋横断されているが、航海の中で変わったことや変わらないことは?

 「(世間で海は)汚染があると言われているが、見ただけでは分からない。60年前は漁具などの浮遊物が多かった。今は見かけないくらい、きれいになった。おそらく海に出る方のマナーが向上したからだと思う。50、60年前は廃油が目立った。それもだんだん減って、今では見かけなくなった。モラルのレベルが上がってきたなと思う」

 -プロ野球の開幕直後、阪神タイガースが連敗したが。

 「知人とか家族と衛星電話で交信してましたが、けっこう話題になっていた。地元の『阪神さん』なので、粘り強いところをみせてほしいと思っている」

 -堀江さんの出られたNHKの朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の結末は気になるか?。

 「僕はあまり見てない。気にしてないと言うと失礼ですが」

 -最後に何か一言を。

 「若輩ではありますが、大器晩成を目指して頑張りますので、よろしくお願いします」

阪神堀江謙一さん
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