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バレエの練習に打ち込むオレナ・ドブリャンスカさん=神戸文化ホール(撮影・秋山亮太)
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バレエの練習に打ち込むオレナ・ドブリャンスカさん=神戸文化ホール(撮影・秋山亮太)
ウクライナから神戸市に避難し、大阪での公演に向けて練習を重ねるバレエダンサーのオレナ・ドブリャンスカさん=神戸市中央区、神戸文化ホール(撮影・秋山亮太)
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ウクライナから神戸市に避難し、大阪での公演に向けて練習を重ねるバレエダンサーのオレナ・ドブリャンスカさん=神戸市中央区、神戸文化ホール(撮影・秋山亮太)
ウクライナから神戸市に避難し、大阪での公演に向けて練習を重ねるバレエダンサーのオレナ・ドブリャンスカさん(左)=神戸市中央区、神戸文化ホール(撮影・秋山亮太)
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ウクライナから神戸市に避難し、大阪での公演に向けて練習を重ねるバレエダンサーのオレナ・ドブリャンスカさん(左)=神戸市中央区、神戸文化ホール(撮影・秋山亮太)

 ロシアの軍事侵攻を受け、ウクライナ南部の港町オデッサから神戸市北区に避難してきた世界的バレエダンサー、オレナ・ドブリャンスカさんが25日、大阪であるコンサートに出演する。踊るのは死への抵抗を描く「瀕死の白鳥」。4月の来日後、母国を憂い毎日泣いていたが、「たくさんのお客さんに踊りを見てもらえればさみしくなくなる」と、気高く舞台に立つ。

 オデッサは黒海を封鎖したロシア軍による攻撃で破壊され、多くの兵士や市民が犠牲になっている。「いつもサイレンが鳴り、遠い所から爆弾の音が聞こえた」とオレナさん。「残った家族は無事だが、安全ではない。来日後も毎日連絡を取っている」と不安を隠せない。

 オデッサのバレエ団でトップダンサーを務め、国内外で活躍してきた。戦禍を免れるため、かつて同団に所属し、約20年前から神戸で暮らしている旧知のバレエ講師、ユリヤ・コズロバさんを頼って8歳の娘と来日した。夫は母国に残り、兵士として戦っている。

 来日後もしばらくは「悲しいこと、分からないことだらけ」で安らぎを得られず、「あまりに泣きすぎて、笑い出してしまうことすらあった」と明かす。しかし、徐々に気持ちも回復し、現在はウクライナから避難してきた他のダンサーたちと共に、神戸文化ホール(神戸市中央区)のリハーサル室で連日、練習に汗を流している。

 出演するのは、ザ・シンフォニーホール(大阪市)であるウクライナへの人道支援コンサート。兵庫県川西市在住の指揮者で、ウクライナのオーケストラと長年交流がある守山俊吾さん(80)主宰のオーケストラと関西の音楽仲間らが開く。

 「瀕死の白鳥」は、フランスの作曲家サンサーンスの「白鳥」に振り付けがされたバレエ作品。湖面で死にゆく白鳥に思いを重ね、ゆったりと1人で舞い、死との葛藤を表現する。「初めて踊る作品で、空間や床も慣れていない。でも踊りを見て、お客さんそれぞれが自由に感じてほしい」と静かに語る。

 コンサートでは他に、「愛の夢」(リスト)や「交響曲第9番第4楽章」(ベートーベン)などが演奏され、収益金は在日ウクライナ大使館などに寄付される。午後3時開演。一般4千円など。ミュージック・アート・ステーションTEL06・6836・7067(藤森恵一郎)

ウクライナ侵攻
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