「CINEwave(シネウェーブ)」。赤く照らされた文字の下に、体温計や消毒液が並ぶ。ここはかつて映画館だったロビー。スタッフたちはチケットカウンターではなく、新型コロナウイルスワクチン接種の受け付けブースを案内する。
神戸・六甲アイランドの神戸ファッションプラザ9階は、かつてシネマコンプレックス(複合型映画館)としてにぎわった。閉館から10年の時を経て、昨年6月からは神戸市のワクチン集団接種会場になっている。
上映予定のポスター掲示板や、カフェカウンターなど見た目は往時のまま。だが今は、使い捨ての手袋やガウンが並び、看護師や職員らが慌ただしく動き回る。
3回目の接種で訪れた女性(41)は「そういえば昔、映画を見に来たことがあったなあ」。遠い目で、過去の記憶をたどっていた。(長嶺麻子)









