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詐欺防止の感謝状を贈られる蔭木慶之さんと友政朋恵さん=兵庫県たつの市龍野町富永、たつの署
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詐欺防止の感謝状を贈られる蔭木慶之さんと友政朋恵さん=兵庫県たつの市龍野町富永、たつの署

 50代男性から太子郵便局(兵庫県太子町鵤)に電話があったのは、2021年12月21日の午前中だった。局内は年末の繁忙期でごった返していた。

 「他の銀行に振り込みたい。できますか」。問わず語りに「怪しくない、正当な取引だから粛々とやってほしい」と念押しする。電話に出た課長代理の蔭木慶之さん(53)は「詐欺ではない」と自ら強調する話し方に違和感を持った。

 男性は午前中のうちに来局した。友政朋恵さん(45)が窓口で対応した。120万円をメガバンクの女性名義の口座に振り込みたいという。「ご家族ですか?」「家族のようなものです」「娘さんですか?」「娘のようなもの…」。要領を得ない答えが繰り返された。

 友政さんは、男性の手元のスマートフォンが気になった。メールの内容まで見えなかったが、発信元のアドレスが誰かの名前ではなく、機械的に作った乱数のような文字列だったからだ。

 詐欺と疑った友政さんは上司の課長に相談に行こうと席を立ち、蔭木さんにその間の代役を頼んだ。男性の要望に加え「怪しいんです」との印象もきちんと引き継いだ。

 蔭木さんは「今朝の電話のお客さんだな」と気付き、より詳しく質問を重ねた。男性の言い分はこうだった。

 「シリアの戦場取材をしている女性を支援している。必要な荷物をDHL(ドイツの国際物流会社)に運んでもらう送料が必要だ。直接海外に送金できないので、個人名義にいったん振り込みたい」

 地球規模にまで広がる壮大な作り話。蔭木さんが10分以上、説得しても男性は納得しない。たつの署に通報し、制服の警察官や生活安全課員も加わって、男性はようやく送金を諦めた。頭を冷やした男性は翌日、お礼の電話を局に掛けてきたという。

 蔭木さんと友政さんは22年6月30日、兵庫県警たつの署に招かれ、村本三千雄署長から感謝状を贈られた。生活安全課の担当者は「外国の若い異性を演じて金を振り込ませる、典型的な国際ロマンス詐欺。よく防いでくださった」と感謝した。局員2人は「今後もお客さまの財産を守れるように注意したい」と気を引き締めていた。(直江 純)

西播
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