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片山大介氏
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片山大介氏
公示日の第一声を人工知能(AI)技術で言葉の使用頻度や傾向などを図示した
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公示日の第一声を人工知能(AI)技術で言葉の使用頻度や傾向などを図示した

 参院選は10日の投開票に向けて後半戦に入った。改選3議席を巡って攻防が続く兵庫選挙区。2013年以降、改選ごとに1議席を確保してきた日本維新の会は今回、圧倒的な勝ちにこだわる。野党第1党の座を見据えた戦いを追った。

     ◆

 会場を見渡した維新現職片山大介(55)は安堵(あんど)の表情を見せた。「県内をくまなく回った苦労が報われた」。公示前の先月19日、神戸市内で開いた決起集会には、想定を超える約千人の支援者らが集まった。

 「ふわっとした民意」の受け皿となり、党副代表吉村洋文(大阪府知事)の根強い人気が支える維新は、大阪以外での支持基盤が弱かった。片山も初挑戦の6年前は演説中心の「空中戦」で勝ったが、今回は地に足をつけた活動を展開する。

 初当選後、国会などの合間をみて、県内のあらゆる行事に参加した。「どぶ板」活動を6年にわたって続け、「誰にも負けないぐらい細かく回ってきた」。地域ごとに最大約50人が名を連ねる独自の後援組織を約10団体立ち上げ、広い県内での活動をサポートするネットワークを整えた。

 昨秋の衆院選で4倍近く議席を増やし、野党第2党に躍り出た維新。党県組織所属の国会議員は12人になり、地方議員も約50人を数える。組織戦で票を掘り起こし、トップ当選で存在感を高める戦略を描く。

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 国政では政権の「補完勢力」とされた維新だが、岸田政権下で一転、「自民をぴりっとさせる野党」を旗印にする。

 次期衆院選で野党第1党を目指す方針を確認。参院選の公約で防衛費増額や憲法9条への自衛隊明記など保守色を強める。自民支持層を取り込み、全国への本格的な浸透の足掛かりにする狙いがある。

 ただ、片山は「9条を触るのは慎重に進めるべきだ」とする。改憲の賛否で割れる世論を受け、急進的な党の姿勢に疑問を持つ。党方針に反対はしないが、チラシから安全保障の項目を削った。街頭では出産や教育の無償化、物価高対策などを訴え、安全保障政策や憲法改正には触れない。

 県組織幹部は代弁する。「改憲派の保守層を切り崩すには有効だが、アレルギーも少なくない」。党の基軸となる国家観が波紋を広げている。

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 片山の懸念は足元にもある。党勢拡大に伴い、所属議員の不祥事が増え、主張を続ける看板施策「身を切る改革」も揺らぐ。

 「皆さんの期待を裏切った。本当に申し訳ない」。先月26日、公示後初めて兵庫入りし、JR尼崎駅前で片山と並んだ党代表松井一郎(大阪市長)は謝罪から始めた。党所属の地元市議による政務活動費の不適切処理疑惑が浮上していた。

 国会議員の「第2の財布」ともいわれる調査研究広報滞在費(月額100万円)の使途公開に向けて、与野党を巻き込み、議論をリードしてきただけに、身内の不祥事は致命傷になりかねない。

 使途公開の実現を争点化し、「日本の政治を変える。新しい政治をつくれるのは維新だけだ」と訴える片山。党の原点に立ち戻り、世論に目を凝らしながらの戦いが続く。

=敬称略=

(参院選取材班)

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