総合 総合 sougou

  • 印刷
風月に馬具をつける山下勉さん(右)と妻恵子さん=洲本市五色町都志大日
拡大
風月に馬具をつける山下勉さん(右)と妻恵子さん=洲本市五色町都志大日
次女帆菜海ちゃんと餌やりをする山下勉さんさん=洲本市五色町都志大日
拡大
次女帆菜海ちゃんと餌やりをする山下勉さんさん=洲本市五色町都志大日
6月初旬に馬耕する山下恵子さん(右)と協力した学生(山下さん提供)=洲本市五色町都志大日
拡大
6月初旬に馬耕する山下恵子さん(右)と協力した学生(山下さん提供)=洲本市五色町都志大日
馬耕の田んぼ(手前)を乗馬体験で通り過ぎる=洲本市五色町都志大日
拡大
馬耕の田んぼ(手前)を乗馬体験で通り過ぎる=洲本市五色町都志大日
馬がそりを引く「ホースボード」の動画を撮影する山下勉さん(左)ら=洲本市五色町都志大日
拡大
馬がそりを引く「ホースボード」の動画を撮影する山下勉さん(左)ら=洲本市五色町都志大日

 馬と共にいる暮らしがしたい-。大阪府箕面市出身の山下勉さん(42)は兵庫県の淡路島に移り住んで9年、個人経営の観光牧場を始めて5年になる。2頭を飼い、自然の中で乗馬体験などを提供。田畑で農具を引かせる馬耕の復活を試している。山下さんの濃密な一日を追った。(吉田みなみ)

■橇(そり)

 観光牧場は洲本市五色町都志大日の「シェアホースアイランド」。馬は10歳の雌の農耕馬「風月」と、8歳の雌の元競走馬「アネロワ」。人間でいえば40代ぐらい。まだまだ働き盛りだという。

 週末の午前7時、山下さんが近くの自宅から車で馬小屋に来た。「おはよう」と声をかけ、体調に気を配る。午前中に牧場をPRする写真と動画を撮影する。午後からは来客の予約がある。

 午前8時半、草原で人を乗せた木製の橇(そり)を引く「ホースボード」の撮影を始めた。牧場独自のサービスで、子どもや高齢者に人気がある。

 昨年、大阪府羽曳野市から淡路島へ移住したばかりの会社員中川丈史さん(46)がやって来た。「都会の騒がしさに疲れていたときにこの牧場に出合い、癒やされた」と、すっかりファン。家族がモデルになり、中川さんがカメラを構え、山下さんが風月を誘導した。

■鋤(すき)

 山下さんは2013年から3年間、洲本市の「地域おこし協力隊」を務めた後に定住した。

 元々、馬に魅力を感じていた。馬術部がある高校で飼いきれなくなった風月と、競走馬としては振るわなかったアネロワを譲り受け、活躍の方法を考え続けてきた。淘汰(とうた)が激しい競走馬の殺処分に心を痛め、「かつて馬は乗り物や家畜として身近だった。現代の暮らしに合った共存の形を探したい」と話す。

 これまでに、飼育作業を手伝う「ファームステイ」、馬と共に牧場に泊まる「馬合宿」、馬を眺めながらデスクワークできる「ワーケーションプラン」などのサービスを設けた。

 馬耕は昨年、近所で借りた計約千平方メートルの田んぼで始め、収穫した米を来客者への土産などにした。今年も6月初旬、風月が鋤(すき)を引っ張った。体験者を呼び込み、馬耕米の付加価値を広めようとしている。

■布

 正午すぎ、大阪市の家族連れが乗馬体験に訪れた。ブラッシングや餌やりの後に風月の背中へ。鞍(くら)は付けず、厚手の布を敷いて座る。体温と息づかいを感じ、「思ったより温かい」などと言い合った。

 馬に乗ったまま、山下さんの誘導で公道に出た。馬耕の田んぼを眺めながら散歩した。飼育員になるのが夢という辰巳柑奈さん(14)は「おとなしくて優しい動物だと実感できた。思いが強まった」と喜んだ。

 家族連れを見送ると午後5時。山下さんが2頭をねぎらい、営業を終えた。

■餌

 山下さんは、妻恵子さん(38)と長女汐帆里さん(6)、次女帆菜海ちゃん(4)の4人家族。来客の有無にかかわらず毎日牧場に通い、週末は娘と餌をやることもある。

 「子どもたちにとって馬がいる生活が当たり前。お客さんと話したり、農作業を手伝ったりして楽しんでいる。小さな虫さえ苦手だった妻も慣れてきて感謝」

 新型コロナウイルス禍で減った客は以前の7割まで戻ったが、イベントはまだ開きにくい。インターネットの動画配信でファンをつなぎ留める。

 クラウドファンディングで集まった資金で牧場裏の里山に展望台を作るなど環境整備も進めた。「新しい取り組みを考え、飼育頭数を増やし、雇用にもつなげたい」と目標を語る。

淡路
総合の最新
もっと見る
 

天気(8月14日)

  • 32℃
  • 28℃
  • 40%

  • 33℃
  • 25℃
  • 50%

  • 33℃
  • 27℃
  • 40%

  • 33℃
  • 26℃
  • 40%

お知らせ