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学生が悩みを打ち明ける甲南大の相談室=神戸市東灘区岡本7
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学生が悩みを打ち明ける甲南大の相談室=神戸市東灘区岡本7

 新型コロナウイルスの感染対策を巡り、会食人数の制限解除やマスク着用の見直し、イベントの開催など、一時期の重苦しいムードが変化してきた。一方で、生きづらさをテーマに読者から投稿を募る企画「生きるのヘタ会? てんてん×神戸新聞」には「私はこれから息苦しくなります」という声が届いた。今後の生活の不安や外出自粛の継続など、「コロナ後」の生きづらさとは-。(中島摩子)

 2020年以降、すっかりおなじみになったマスク装着やアクリル板。それらの見直しに対する不安を寄せたのは30代のニックネーム「ななさん」だ。

 「コロナで苦しんだ人は気分を害されるかもしれませんが…」と前置きした上で「1人が好きな私にとっては、コロナ禍以前はずっと、過ごしにくかった。マスク越しなら、対面でもついたてを置いたような安心があったし、断りにくい集まりも存在自体なくなって、どれだけほっとしたか」と記した。

 そして「以前は世間の過干渉がつらかったので、コロナが終息したら逆に私は息苦しくなるんだな、と今から暗い気分です」。

 「豆大福さん」もコロナ禍のさなか「誰にも言えない」気持ちを抱き、こう吐露していた。

 「45歳。独身。実家暮らし。コロナ禍に翻弄(ほんろう)される生活を送りながら、実はみんなが同じように生きづらくなっている状況に安心している。コロナ禍が明けるのが、怖いとすら思う」

 旅行割引の対象拡大などが決まったが、外出自粛を余儀なくされる人もいる。

 看護師の「パンダ好きさん」(60代)は「私には免疫抑制剤を飲んでいる家族がいます。感染者は減っていましたが、逆にマスク緩和も進み、無症状の感染者も多いのではないかと思います。大切な家族のためにも、私がウイルスを家に持ち帰らないよう、万全の注意を払わねばなりません。なので、私は今後も外出自体を慎重にしていきます」と声を寄せた。

 これまでほぼ外出していなかったというが「一度だけ信頼のおける友人とオープンカフェでランチをしました。話をする時はきちんとマスクをして安心して楽しむことができました」。

 今後について「大切な人とは自分なりに工夫して会いたい。逆に、そこまでして会わなくてもいい人やお付き合いだけのランチは、お断りできることをコロナが教えてくれました」とつづった。

■「対面授業しんどい…」大学生も不安抱く

 感染対策のためオンライン授業に取り組んできた大学では「コロナ後」に不安を抱く学生が少なくない。兵庫県内の大学の相談室には「対面は緊張する。卒業までオンライン授業がいい」「人と関わるのが怖くなった」などの声が寄せられているという。

 甲南大(神戸市東灘区)の学生相談室専任カウンセラーで文学部教授の高石恭子さん(62)によると、コロナ禍前の相談室の利用は、平均して年間延べ3千件程度だったが、2021年度は約1・5倍の延べ約4790件に増えたという。

 過去2年間は、入学直後にオンライン授業が始まり、訳が分からず途方に暮れ、友人関係も築けない-などの声が目立った。

 対面授業が再開されるにつれ、別の苦しみが寄せられるようになった。「人の多さやザワザワした音に緊張する」「対面でのゼミの前は眠れない」-などだ。「1人で食事を取る『ぼっち飯』を見られるのが嫌」の声もあった。

 「彼らにとってリアルに人と会うのは傷つく恐れがあること」と高石さん。以前はコミュニケーションが苦手でも在学中に克服する学生が少なくなかったが、コロナ禍で乗り越える機会が失われたとみる。

 悩む学生には「必要な助けを求めるのは甘えじゃない」「マスクをどうするかにしても、自分が安心できるよう、自分の判断を大切に」と説いている高石さん。対面とオンラインの併用などを学生と一緒に考え、「コロナ禍前と同じに戻るのではなく、一人一人が生きやすい社会をつくるチャンスと捉えたい」と話す。

 関西学院大(兵庫県西宮市)の学生支援相談室にも「外に出られない」「対面授業はしんどい」などの声が寄せられているといい「2年間の外出自粛の余波がきつい形で出ている」と担当者。県内の別の大学でも「前は1人が恥ずかしくなかったが、学生数人が集まっているのを見るようになり、『やっぱり自分は1人なのか…』と孤独を感じる」「教室に入りにくい」などの相談があるという。

【特集ページ】生きるのヘタ会?

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