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計画では、山の向こう側に産業廃棄物最終処分場が建設される=兵庫県上郡町梨ケ原(撮影・大山伸一郎)
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計画では、山の向こう側に産業廃棄物最終処分場が建設される=兵庫県上郡町梨ケ原(撮影・大山伸一郎)
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 兵庫県上郡町と赤穂市の市町境に計画される産業廃棄物最終処分場について、建設の賛否を問う同町の住民投票が10日、投開票される。環境保全などの観点から反対を訴える住民団体には、町内の多くの連合自治会が加盟している。一方、周辺では少子高齢化が加速しており、雇用創出や地域活性化の一助にと賛成する声もある。産廃施設の是非を問う県内初の住民投票が間近に迫る。(地道優樹、村上晃宏)

 処分場は「東洋開発工業所」(大阪府豊能町)が計画し、上郡町梨ケ原に進入路、赤穂市西有年に施設を整備する。汚泥やがれき、ごみ焼却灰などを受け入れ、20年間で産廃約302万立方メートル(東京ドーム約2・5個分)を埋め立てる。汚水は薬品、ろ過処理し、処理水は上郡町内の千種川水系・梨ケ原川に放流する。

 「ストップ産廃」「千種川を守ろう」-。上郡駅前など町中心部には、建設反対を訴えるのぼりがはためいている。

 「『産廃の町』に移住者や観光客は来ない。若者の流出にも拍車がかかる」。反対する住民グループ「上郡産廃問題対策協議会」には、町内の8連合自治会のうち6団体が加盟する。農業用水や生活水への影響を懸念するほか、同社が予定地周辺の土地も取得していることから処分場の規模拡大を警戒している。

 町の人口は約1万4千人。減少に歯止めがかからず、高齢化率は県平均を上回る約4割に上る。町税収入が伸び悩むなど財政環境は厳しい。多くの雇用を生み出す産業はなく、人口減少や少子高齢化への対応は最大の課題だ。

 こうした町の閉そく感を打開するため、処分場の予定地近くでは建設に期待する声も聞かれる。

 進入路の整備が計画される梨ケ原地区には約230人が暮らし、6割近くを高齢者が占める。近くにスーパーなどはなく、週1回の移動販売業者に買い物を頼る住民が多いという。

 同地区の男性(73)は「頭ごなしに拒んでも地域が先細るだけ。処分場ができれば雇用につながる。焼却炉やリサイクルセンターもできれば活性化するのでは」と期待する。

 住民投票の結果に法的拘束力はないが、上郡町は住民投票の結果を尊重するよう県と東洋開発工業所に申し入れる。設置の可否は県が判断する。同社は投票結果にかかわらず手続きを進める方針を示している。

     ◇     ◇

■産廃施設建設巡る住民投票、全国各地でも

 産業廃棄物関連施設の建設の賛否が問われる住民投票は、全国で1990年代後半から2000年代初めまでに少なくとも8市町村で実施された。投票結果は賛成多数1件、反対多数6件で、残りの1件は投票率が低く不成立だった。

 住民投票には法的拘束力がなく、市町村長が結果を尊重するにとどまる。そのため、投票後の対応にはばらつきがある。

 19年の静岡県御前崎市では反対が9割に上り、事業者は約1年半後、地元との合意形成ができないと判断して自主的に撤退した。

 一方、97年の宮崎県小林市では反対が多数を占めたが、施設は完成した。市は、営業許可や県外から搬入される産廃の審査を厳格にするよう県に要望。市と事業者が環境保全に関する協定を結び、現在も稼働している。(村上晃宏)

西播
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