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神戸市が公式名称を決めない方針を打ち出した阪急神戸三宮駅北側の広場=神戸市中央区加納町4
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神戸市が公式名称を決めない方針を打ち出した阪急神戸三宮駅北側の広場=神戸市中央区加納町4
神戸市が公式名称を決めない方針を打ち出した阪急神戸三宮駅北側の広場=神戸市中央区加納町4
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神戸市が公式名称を決めない方針を打ち出した阪急神戸三宮駅北側の広場=神戸市中央区加納町4

 神戸・三宮の待ち合わせスポットとして「でこぼこ広場」「パイ山」などの愛称で親しまれ、昨年10月に改修オープンした「さんきたアモーレ広場」について、神戸市は新たな名称を特に決めない方針を打ち出した。かつて公募で決まったさんきたアモーレの名前がいまひとつ定着しておらず、リニューアルを機に、現地で実際に使われている呼び方を公式採用しようとしたというが…。(名倉あかり)

 広場は1985年に整備された。屋台や自転車などが置かれないよう三つの小山を整備したことから、いつしかでこぼこ広場などと呼ばれるようになった。

 しかし、地元から「神戸の玄関口にふさわしい名前がほしい」と声が上がり、市などが募集して2007年、さんきたアモーレ広場に決まった。

 アモーレはイタリア語で愛を意味し、広場にある震災復興を記念した彫像のタイトルに由来している。市都心三宮再整備課の担当者によると、この呼び名を使う人は一定数いるものの「浸透しているとは言い難い」状況という。

 昨年の改修で広場のデザインが一変したこともあり、市は今年5月、利用者の呼び方を現地調査した。

 107人の回答を分析したところ「阪急の北側」「阪急の石のところ」など、目の前を走る阪急電車にまつわる内容が約3割を占めた。パイ山は15%、アモーレ広場は11%、でこぼこ広場はゼロで、飛び抜けて多いものはなかった。

 広場は夜に若者が集う印象を持たれがちだったが、リニューアル後は昼間を含め幅広い年齢層が訪れるようになり、より明るい雰囲気になった。

 これらを踏まえ、市は「多様な使われ方をしているこの場所らしく、無理に一つに決めず、思い思いに呼んでもらえばいい」と判断した。近くのサンキタ通りと一体的にリニューアルしたことから、行政の広報などでは便宜上「サンキタ広場」を使う。

 広場で談笑していた神戸市内の高校3年の女子生徒2人は「共通の呼び方があった方が分かりやすいのに」と戸惑い気味。一方で、小山がなくなった後も「パイ山」で押し通しているという男性会社員(24)=兵庫県明石市=は「名前を決めても浸透しなかったら意味がない。好きに呼べばいいのでは」と市の考え方に理解を示した。

 同課は今月11日まで、広場の名称を公式に決めない方針に対する市民らの意見を、郵送やメール、ファクス(078・222・1605)などで募っている。呼称の公募ではない。詳細は市ホームページで「阪急神戸三宮駅東口」などを検索する。

     ◇     ◇

 公式名称はなくとも、日差しを避け、ゆったりと座れる広場は、神戸の繁華街を代表する待ち合わせ場所であることに変わりない。個人的にはいずれ、誰もが自然に共有できる愛称が生まれ、育つのではと楽しみにしている。

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