兵庫県明石市の花火大会会場近くで起きた群衆雪崩によって幼い子どもら11人が亡くなった明石歩道橋事故。21日に発生から21年を迎えるのを前に、遺族らがその歩みを自らつづった本「明石歩道橋事故 再発防止を願って」を出版した。なぜ事故は起き、家族を失わなければならなかったのか。真相の究明に奔走してきた遺族と弁護団の長い闘いが記録されている。(川崎恵莉子)
本は3章で構成した。第1章の「あの日 歩道橋に向かった人達」は、遺族への聞き取りなどを基に各家庭の様子を事故前までさかのぼり描く。何日も前から花火を楽しみにしていた子どもたち。ある家族は夏休みの登山から戻った後、また別の家族は父親の仕事が予定より早く終わったため花火大会に出かけた。
花火が始まる前の早い時間帯には、人が流れていた歩道橋。人々は不安を感じることもなく会場に向かった。だが、雑踏警備の体制が不十分で、一方通行や橋への入場制限を実施しなかったため、歩道橋を行き交う流れが滞り始め、徐々に身動きが取れなくなった。
群衆雪崩が起きる40分以上も前に、不安を感じた人が歩道橋の上から110番通報をする様子も記した。最終的に1平方メートル当たり、約13~15人もの密集状態になったとされる。大人たちは人波に押しつぶされそうになりながらも必死に子どもたちを守ろうとし、助けを求めた。それぞれの遺族が事故現場で見聞きした言葉、取った行動が生々しく書かれている。
第2、3章では刑事裁判と民事裁判の経緯をたどる。刑事裁判では、法改正で全国初の強制起訴を実現させたが、時効で免訴となった。事故原因の調査や信楽高原鉄道事故の遺族らとの交流、検察処分の不当性を訴えたシンポジウムなど取り組んできた活動を紹介している。
遺族や弁護士らが寄せた手記も収めた。裁判を弁護団代表としてサポートし続け先月亡くなった渡部吉泰さんは、裁判を担当したきっかけとして、自分も現場に居合わせ雑踏警備のずさんさを目の当たりにしたことが大きな動機だと記している。
本の編集にあたった遺族の白井義道さん(62)は「同じような事故の再発防止を目的に出版した。雑踏警備や事故被害者救済の在り方に関しても一石を投じられれば」と話す。
403ページ。税込み2200円。神戸新聞総合出版センターTEL078・362・7138(平日午前9時半~午後5時半)
【明石歩道橋事故】明石市民夏まつり花火大会が開かれた2001年7月21日夜、JR朝霧駅と大蔵海岸を結ぶ歩道橋(全長約100メートル、幅約6メートル)で起きた群衆雪崩で11人が死亡、247人が負傷した。兵庫県警は業務上過失致死傷容疑で、明石署、警備会社、明石市の当時の担当者ら計12人を書類送検。同署元地域官と警備会社の元責任者は実刑が確定した。2010年、強制起訴に始まった当時の同署副署長の責任を問うた裁判は時効に阻まれ、裁判を打ち切る「免訴」となった。民事訴訟では遺族側の勝訴判決が確定した。
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