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12の願意と12色の袋を組み合わせ、144通りから選べる舞子六神社のお守り=神戸市垂水区西舞子1
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12の願意と12色の袋を組み合わせ、144通りから選べる舞子六神社のお守り=神戸市垂水区西舞子1
神社を身近に感じてもらおうと、おしゃれなロゴマークや、キャッチーな愛称「まいこむの宮」が生まれた=神戸市垂水区西舞子1
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神社を身近に感じてもらおうと、おしゃれなロゴマークや、キャッチーな愛称「まいこむの宮」が生まれた=神戸市垂水区西舞子1

 12の願意に、12の色。舞子六(まいころく)神社(神戸市垂水区)のお守りは、144通りの組み合わせから、思いや好みに沿ってカスタマイズできる「選べるお守り」だ。願意は「健康守」「縁結び守」「ペット守」など多彩だが、お守り袋の表面に具体的な願意を示す文字はない。そこに込められた心遣いとは? デザイン性だけではないこだわりを、会社勤務を経て就任した宮司に聞いた。(金 慶順)

 海と淡路島を参道から望む舞子六神社。伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)、伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)、素盞男大神(すさのおのおおかみ)など六柱の神をまつる。

 社紋は由緒ある「三(み)つ巴(どもえ)」だが、近年、「六」の漢字や鳥居、明石海峡大橋をモチーフにしたロゴマークが誕生した。幸せが「舞い込む」と「舞子六」をかけて「まいこむの宮」という愛称も作った。

 「神社のテーマは『伝統を受け継ぎ未来に託す』です」と的場崇宮司(39)。奈良県の一般家庭に生まれ、高校卒業後に伊勢神宮の神職養成所で学んだ。その後、一般企業で営業職を経験し、2007年に舞子六神社へ。翌年、高齢の先代から引き継いで、25歳の若さで宮司に就任した。

 そんな的場宮司が3年前から計画し、今年の正月に授与を始めたのが「選べるお守り」だ。

 厚さ5ミリ、青森県産ヒバ材の木の札に「病気平癒守」「安産守」「学業守」「勝守」など12種類の文字が記され、願意が込められている。それを包むお守り袋は、穢(けが)れを清めるとされる麻製。色はエメラルド、サファイア、ルビーなど、誕生石の12色から選ぶことができる。

■「目に入るとプレッシャー」

 願意と袋を自由に組み合わせるため、袋の表面には具体的な願い事を示さず、神社名とロゴマークを記すにとどめている。そのデザインのきっかけは、お守りを人に贈ることが多く、願い事が多岐にわたる現代ならではの繊細な悩みを耳にしたことだった。

 手術の前に知人からお守りをもらってありがたいけれど、「『病気平癒』の文字が目に入るとプレッシャー」。縁結びのお守りを身に着けていたいが、「人には見られたくない」…。

 そんな声を聞いて、的場宮司は「そもそも願いは自分が知っていればいいもの。願意は表に書かなくても、袋の中にあればいい」と考えた。そしてその心遣いは、若い人も持ちやすいような色やデザイン性と結びつき、「選べるお守り」になった。

■「神社は本来、最先端の場所」

 若い世代にはもちろん、古くからの氏子にも「いいね」と言われるという。神社のイメージカラーでもある青系が人気だが、自分の誕生石の色や、その日のラッキーカラーを組み合わせる人も多い。

 舞子六神社では数年前から、ロゴマークを生かした御朱印帳、月ごと、年ごとにデザインが代わる御朱印なども展開。「日常的に訪れてほしい」と願う。

 「神社は本来、最先端の場所だった」。村で問題が起これば、人々は神社に集って解決を話し合った。でも今は目に見える最先端があふれ、神社が取り残されそうになっている-。「柔軟に、時代に合わせて」の思いを抱き、人が集うよう、新たな試みを続けている。

 「選べるお守り」は千円で、午前9時~午後4時に授与。同神社TEL078・781・5584

神戸
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