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感染対策とワクチン接種を会見で呼びかける斎藤元彦知事=27日午後、兵庫県庁
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感染対策とワクチン接種を会見で呼びかける斎藤元彦知事=27日午後、兵庫県庁

 新型コロナウイルスの1日当たりの感染者数が初めて1万人を超えた兵庫県。斎藤元彦知事は27日の記者会見で「感染のピークはこれから訪れる」と述べ、さらなる感染拡大に強い危機感を示した。ただ、外出や飲食などの行動制限の実施は重ねて否定。「日本社会全体がコロナを乗り切る正念場だ」と訴え、感染防止対策の徹底とワクチン接種を県民にあらためて呼びかけた。

 15日に対策本部会議を開いた際にも、政府の方針を踏まえて社会経済活動の維持を強調していた斎藤知事。流行「第7波」の感染者で感染経路が判明している約1万4千人のうち、家族からの感染が60%を超える一方、飲食店での感染は1%に満たない。この日の会見で「まん延防止等重点措置などの過度な行動制限は社会的なデメリットが大きい」とし、政府に要請する考えはないとした。

 隣接する大阪府は27日に対策本部会議を開き、重症化リスクのある高齢者への外出自粛の要請を決定。同様の対応を取るかどうかを問われた斎藤知事は「予定していない」と否定した。外出不足に伴い、認知症の進行や心身の機能が低下する「フレイル(虚弱)」のリスクが高まることを懸念し、「行動制限はさまざまなリスクを招くことを共有したい」と繰り返した。

 感染急増で病床使用率は6割を超えた。県は同日、コロナ病床を提供する医療機関に対し、症状が落ち着いた入院患者について、別の病院や宿泊療養施設などへの転院・退院の措置を取るよう通知。この運用は昨年から実施しているが、医療逼迫(ひっぱく)を防ぐために徹底を期した。

 斎藤知事は過去の感染状況を参考に「感染のピークアウトは8月に入ってから」との見方を示す。県境をまたぐ移動が活発化する盆前後を念頭に「ワクチンを接種し、帰省の際にはマスクで会話をしてほしい」と求めた。

 感染に備え、自宅で常備薬や食料を用意するよう呼びかけ、「行動制限を行わなくてもコロナを乗り越えるため、県民との合意形成をしっかり進めたい」と力を込めた。(金 旻革)

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