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防護服を身に着け、発熱外来を訪れる患者を診察する東神戸診療所の郷地秀夫所長=28日午前、神戸市中央区(撮影・高田康夫)
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防護服を身に着け、発熱外来を訪れる患者を診察する東神戸診療所の郷地秀夫所長=28日午前、神戸市中央区(撮影・高田康夫)

 全国で過去最多の感染者数を更新し続けている新型コロナウイルスの流行「第7波」。兵庫県でも1日当たりの新規感染者数が27日に初めて1万人を超え、28日も1万1027人で過去最多を更新した。発熱外来を設ける地域の診療所には患者が殺到。若い世代が中心で、症状は比較的軽いものの、現場は検査や診療、電話対応に追われ、これまでにないほどの逼迫状況だ。

(井川朋宏)

 県は感染疑いの患者に対応する「発熱等診療・検査医療機関」を1721カ所指定(15日現在)。掲載に同意した医療機関のリストをホームページで公表している。

 その一つ、神戸市中央区の東神戸診療所では、感染が疑われる患者が先週1日当たり10~15人程度だったのが、今週に入り30人前後まで倍増した。大半は20~40代。症状は発熱や頭痛、倦怠感といった軽症で、検査ではほとんどが陽性だ。高齢者は少なく、呼吸器症状が目立たないのは、第6波から続く傾向という。

 同診療所の郷地秀夫所長(74)は「ワクチンを打っている人は症状が軽く、1、2日だけ熱が出るようなケースが目立つ」。そのため、熱が下がった後に感染が判明する例も多く、「診療を受けていない(潜在的な)感染者も多いのではないか。介護が必要な高齢者にも広がることが心配」と話す。新型コロナは軽症では入院できないため、自宅で介護を受けられなくなって持病が悪化する恐れが大きいという。

 明石市の西山クリニックでも、今月20日ごろから来院者が急増した。20~40代やその子どもらで、1日に20人近くに上る。予約の電話は鳴りっぱなしで、つながらないこともあるほど。事務員が症状や個人情報、基礎疾患などの聞き取りに追われている。

 感染が疑われる患者は空間、時間的に分離するため、徒歩の人は屋外のブースで、自家用車の人は乗った状態で対応する。医師1人と看護師1人の態勢で、看護師は炎天下で防護服を着て検体を採取。1時間当たり患者3、4人しか診られず、電話予約で一定数以上に達すると、断らざるを得ないという。

 短時間で結果を確認できる抗原検査キットも不十分。ワクチンの接種希望者も増え、対応に追い打ちをかけている。既にかかりつけ患者の待ち時間が長引いており、一般診療に支障が出ることが懸念されるという。

 県保険医協会理事長で、同クリニックの西山裕康院長(65)は「患者が心配で来院することは理解できる。ただ、今の受け入れ能力では限界がある」とし、窮状を訴えている。

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